Mariko Morita

ロシア舞台芸術を大学院にて研究、その後モスクワで旅行会社に勤務(2007~2011)。帰国後はさいたま市の会席料理・二木屋で修行を積む。2018年~22年まで二木屋の代表取締役を務め、現在はフリー。趣味は観劇、美術鑑賞、旅行、ヴァイオリン、茶道、華道。

Mariko Morita

ロシア舞台芸術を大学院にて研究、その後モスクワで旅行会社に勤務(2007~2011)。帰国後はさいたま市の会席料理・二木屋で修行を積む。2018年~22年まで二木屋の代表取締役を務め、現在はフリー。趣味は観劇、美術鑑賞、旅行、ヴァイオリン、茶道、華道。

最近の記事

2023年

久しぶりにゆっくりと自由な時間を楽しんだこの1年。 見たこと、感じたことをnoteに書き溜めていこうとしましたが、なかなかできませんでした。 個人的にベストだったものをあげると 美術:"Komar and Melamid" (NJ, Zimmerli Art Museum) 写真展:深瀬昌久1961-1991 (東京都写真美術館) 演劇:中谷美紀&Ⅿ.バリシニコフ「猟銃」(NY, Baryshnikov Arts Center) バレエ:英国ロイヤルバレエ「ロミオとジュリエ

    • NYのクリムト

      8年ぶりにニューヨークへ。 前回の滞在でもそれなりに印象が強かったNYですが、 今回もそのパワーに圧倒されました。 コロナで苦しんだのは世界中どこも同じで、NYも例外ではないのですが、 後遺症を引きずりながらも、やはり世界をリードしていく町としての自負のようなものをひしひしと感じました。 色々見て回りましたが、一番印象に残ったのがHall des Lumieresの Gustav Klimt : Gold in Motion. 昔の銀行の建物でクリムトの絵画を美しいサウンド

      • 天領日田のおひなまつり

        お雛様めぐりで大分県日田市へ。 九州の交通の要所で、江戸時代は幕府の直轄地・天領だったこともあり、小京都として栄えた歴史をもつ同市は、文化芸術も盛んで、今でも行われている日田祇園祭りはユネスコの世界無形文化遺産にも登録されています。 旧家も多く、お雛様も所有しているところが多いので、この20年のおひなまつりブームにものって、この時期は相当数のひな人形が町中に展示されています。 とくに重要文化財の草野本家は、21世紀ひなブームの先駆けとなったところで、今回も古いところは築3

        • 津雲邸

          2月に入り、日本各地でひな祭りが始まっている。 コロナ禍で中止となったところもあったが、 今年は3年ぶりの何の制限もないひな祭りの季節を迎えている。 二木屋ではコロナ禍でもとにかく例年と変わらないひな飾りを続けてきた。 よく言われるように、ひな人形は出したり仕舞ったりするのが大変であり、 それは個人宅でもレストランでも博物館でも同じである。 緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が発令されると、ひな祭りをやってもなかなかお客様はいらっしゃらない。だとしたら、飾るのを控えたり中止に

          S.ロズニツァ監督

          近年ロズニツァ監督の映画作品が立て続けに公開されている。 昨年日本で公開された「ドンバス」、「バビ・ヤール」も鑑賞したが、 昨年末に1991年にソ連より独立したリトアニアを描いた「ミスター・ランズベルギス」(2021年製作)、そしてこの前1991年ソ連が崩壊するきっかけとなった8月のモスクワ・クーデター直後のレニングラード(現サンクト・ペテルブルク)の様子を写した「新生ロシア」(2015年製作)を鑑賞した。 どちらも当時撮られたフィルムを再編集する形で構成されている。 前者

          S.ロズニツァ監督

          ギリシャ旅行⑤

          ギリシャ旅行の最終日はアテネ観光である。 前々日の夜にパルテノン神殿の夜景をみながら夕食をとったが、 それだけでもギリシャに来たかいがあるくらい、幻想的な光景だった。 アテネはどちらかというとパルテノン神殿以外はダウンタウンなのか、カジュアルでごちゃごちゃした印象。 パナティナイコ・スタジアムは1896年に第1回近代オリンピックが開催された場所。元々紀元前331年にパン・アテナ大祭の競技場として作られたのがこのスタジアムの始まりだったらしい。2004年のアテネオリンピック

          ギリシャ旅行⑤

          ギリシャ旅行④

          4日目はギリシャ旅行の定番、エーゲ海クルーズ。 雨は降ってないものの、一日中曇っていたので、真っ青なエーゲ海を見ることはできなかったのは残念だったが、 1年の内300日が快晴のギリシャで、お天気が悪いのが12月と1月。仕方がない。いつになるかわからなけけど、次回に期待したい。 朝7時半にはホテルを出発し、アテネ郊外のピレウス港へ。 日本語ガイドさん久美子さんのお話がとても面白く、朝から楽しかった。 ルートは、イドラ島→ポロス島→エギナ島。 イドラ島は18世紀~19世紀

          ギリシャ旅行④

          ギリシャ旅行③

          次の日はデルフィ観光。 デルフィは2500年前に「世界の中心」とされていた場所で、ギリシャ神話にも登場するアポロンの神託が行われた場所である。 宿泊したデルフィのホテルからもコリント湾と山々の景色が見事であったが、 この日も天気がよく、絶景のロケーションに光り輝くデルフィの遺跡は、やはり実際に見てみないと感じられないオーラがあった。 まずは博物館でナクソス人のスフィンクス、アポロン神を描いた皿(花器?)、シノフス人の宝庫のレリーフや像などを拝見。 平均2500年前のもの

          ギリシャ旅行③

          ギリシャ旅行②

          テッサロニキからギリシャ中部の奇岩群メテオラへ。 途中オリンポスの山々を眺めながら、バスに揺られること3時間ぐらい。 あらためてギリシャは海だけでなく山も美しい風光明媚なところだと思った。 メテオラ観光の拠点のなるカランバカという小さな町に宿泊。 オフシーズンで閉まっているお店が多かったが、ホテル近くのスーパーマーケットの品揃えが充実していて、お土産や飲み物など購入。 ホテルのお部屋からはメテオラを臨める。 お天気が心配されたが、次の日は雨も上がりメテオラ観光日和。 段々

          ギリシャ旅行②

          ギリシャ旅行①

          1月下旬にギリシャへ1週間の旅行へ行ってきた。 11年ぶりのヨーロッパ訪問であり、かつギリシャは初訪問。 なぜギリシャに行こうと思ったかというと、 私の行ってみたい国ランキング5位以内には入らないけど、 ギリシャはヨーロッパ文明の発祥の地。機会があれば行ってみたかった。 かつツアーに申し込んだのは昨年11月末。 そろそろ海外へ行きたいけど、まだ前職の仕事が気になっており、 調べたり準備したりという時間がとれそうもないため、 ツアーで、かつツアーでないと回るのが面倒くさそうなギ

          ギリシャ旅行①

          エリザベート

          久しぶりのエリザベート観劇。 花總まりさんのエリザベートは初演から何度か観ていますが 今回が一番美しく素晴らしかった。エリザベートをやるために生まれてきた方だと思います 古川さんのトートも若さは残るものの熱演。 今回は剣幸さんのゾフィーが最高で、ゾフィーの心葛藤や母親らしさもすごく伝わってきました。 ウィーン初演から30年以上経ち(ウィーンまで観に行った私)ここまで色褪せない?、何度見ても飽きないミュージカル作品はなかなかないなと思います。 Musical "Eli

          エリザベート

          夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

          ロシア文学の研究者・翻訳者でいらっしゃる奈倉有里さんの「夕暮れに夜明けの歌を、文学を探しにロシアに行く」を拝読。 ロシア文学を学びたいとの一心で2000年代のロシアで語学・文学を勉強した留学体験記、エッセイではあるのですが、エッセイというにはあまりにも内容が濃く重たく、読み終えた今もずっとこの本のことを考えています。 奈倉さんは最初はサンクトペテルブルクでロシア語の研修をして、その後モスクワへ移りゴーリキー記念文学大学でロシア文学を専攻、2008年に卒業されています。

          夕暮れに夜明けの歌を 文学を探しにロシアに行く

          こけしの世界

          「こけしの世界」 〜佐々木一澄「こけしの系譜」と横浜人形の家コレクション〜 二木でも4年前に個展を開催してくださったイラストレーター&デザイナー&郷土玩具蒐集家の佐々木一澄さんプロデュースの企画展。 こけしは江戸時代から創作が始まったといわれる郷土玩具の流れを汲むもので、19世紀はじめごろから東北地方で作られてはじめました。 独特な構造、顔、眼、鼻、頭頂、胴。その産地によって異なる特徴があります。 何度か拝見させていただいているものもありますが ますますパワーアップされ

          こけしの世界

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          めでたづくし×百段階段

          めでたづくし×百段階段

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          月光画

          ドローイングダンス「月光画」by 勅使川原三郎 & 佐東利穂子 コロナ禍でも海外公演の多いお二人なので、 少し久しぶりの舞台となりました。 最初にドローイングの映像が流れ、そのあと二人のダンスが繰り広げられるのですが、二人の身体の動きとその残像がまさにドローイングそのもので これまで絵画的な舞踊はあっても そのプロセスにここまで特化した舞踊はなかったんじゃないかと見入ってしまいました。 勅使川原さんの創作エネルギー、またそのエネルギーを形にしていく佐東さんに毎回脱帽で

          ディオティマ弦楽四重奏団

          コロナ禍でなぜか室内楽曲に関心をもつようになり、 色々きいているのですが、 今回標記カルテットのコンサートがあると知り、行ってきました。 プログラムが大変面白く ・ツェムリンスキー:弦楽四重奏曲第1番 ・リゲティ:弦楽四重奏曲第2番 ・ブラームス:弦楽四重奏曲第2番 ツェムリンスキーのカルテット1番はまだ20代の時の作品ということもあり、非常に耽美な美しい旋律の多いまさにウィーン世紀末的な曲。 リゲティはバリバリな現代音楽と思いきや、1968年初演なのでもう半世紀以上前の

          ディオティマ弦楽四重奏団