【丸山穂高Channelまとめ】石丸新党「再生の道」
▼石丸伸二氏新党立ち上げ発表…党名「再生の道」 2期8年が上限…候補者に多選制限 政策は“候補者任せ”に 公募の様子はYouTubeで公開も(FNNプライムオンライン 25/1/18)
石丸新党、発想は面白い
石丸新党について、中身を見たらなるほどなというものだった。以前ネガティブな事を言ったが、面白い発想だなと思った。党議拘束で縛るものはなく「政治屋を一掃する」という目標があり、そのために2期8年で終わりという事だけが唯一決まっている。それ以外の政策は無し。それは議会内の首長に対する与党化、野党化を防ぐ意味もあるのだろう。
石丸さんの言う「政治屋」とは何か?
そもそも政治屋とは何か?石丸さんが政治屋だと言えば政治屋で、政治屋ではないと言えば政治屋ではないということなのか?2期8年以降は政治屋ということなのか?1期目でも何もしない政治家もいるし、何期もかけて政策を実現させる政治家もいる。政治屋の定義がちょっとよくわからない。
党の政策が無いということは、党に共通した実現したいものが無いということだ。それこそ烏合の衆になるし、そこで当選した人ほど政治屋になるのではないか。やりたいことがあるから政治家になるわけであって、やりたいことがバラバラで実現したいものがなく、とりあえず政治家になるという人こそが政治屋ではないかと思う。
そして、他の政党と掛け持ちが出来るので、2期8年の後に、3期目は他の政党から出馬するということもあり得る。なぜ2期8年限定なのかという疑問が残る。2期8年後に石丸新党があるのかどうかもわからないが。
新しい風が入り、国民の漠然とした不安の受け皿となり得る
一方で、石丸新党のいいと思う所は新しい風が入ることで緊張感が出ることだ。国民の不安は漠然としていて、とにかく政治家が悪いと言う人達が多い。そこに具体的な政策を持っていっても、「この政策は一致するけど、こっちの政策は微妙なんだよね」という人もいる。まさにこの漠然とした不安を抱える人々がターゲットであり、新しい政治家に何かを変えてほしいという人々に響きやすいのが石丸新党だ。
政党というより、石丸認証(ISO)
「再生の道」は政党なのか、という疑問を抱く人も多い。確かに、「再生の道」は、政党というよりは、政治塾、もしくは、認証機関のような感じだ。石丸認証とは、いわばISOのようなものである。例えばこの政治家は既得権にとらわれないし、政治屋ではない、ということを保証する「石丸印」をポンと押してもらうことで普通の人が選挙に出るハードルを下げることが出来る。政経塾、認証機関、コンサルが混ざり合ったような政党が「再生の道」であり、政党という枠組みで考えると本質を見失う。
ある意味新しいコンセプトではあるが、大前研一さんが創設した一新塾にも似ているので全く新しいとは言えない。
今のところ諸手を挙げて賛成は出来ないが、今後もウォッチしていく
そもそも石丸さんは「政策は出さない」と言うが、政治家は政策があってこそなるべきものだと考える。「政治屋を一掃する」という目標については、2期8年では政治屋にはならないのか。1期でも何もしない人、8期でも頑張っている人もいるので結局石丸認証になってしまい、諸手を挙げて賛成は出来ない。石丸認証の石丸印が押されていたとしても、各々の議員の政策が各々なのだとしたら、個別に是々非々で判断していくしかなくなる。
その一方で、石丸さんを応援している人や、新しい風を入れて欲しい、裏金問題などで今の政治家に不満がある、といった層を取り込んでいこうというのであろう。
今のところ、石丸新党「再生の道」についてはこのように見ている。