これからも クリスマスガール で居続けたい|2024.大雪・鱖魚
「人に感謝できる子に育ってほしい」
という母の願いを受けたわたしは、ミッション系の幼稚園に通った。
ミッション系というのは要するにキリスト教の教えに沿った方針の学校園。園内には礼拝堂やパイプオルガンがあって、善い行いをすれば「神様がニコニコしているよ」と喜ばれ、ズルをしようとすると心の中で「ひゃあ、神様に見られているかもしれない」と自分を正し、美味しいものや楽しい行事を前に神様へ感謝をした。
そして、毎年12月は【降誕劇】というイエス・キリストがお生まれになった日の劇を披露した。3歳児クラスではお星さまを、4歳児クラスではひつじを、5歳児クラスでは天使の役をしたことを今でもよく覚えている。
幼稚園を卒園したあとも小学校を卒業するまで日曜学校に通っていたわたしは、11月末からクリスマスにソワソワし、クリスマスイヴは後輩たちの降誕劇を観つつ教会でワイワイとおいしいものを食べて育ったクリスマス大好きっ子。
大人になってからもクリスマスは姉妹揃って実家に帰省しておいしいケーキを食べたりクリスマスマーケットを巡ったり……。クリスマス特有のソワソワとした街がたまらなく好き。
だから、昨年倉敷に移住してきて最初に見つけたイベントが倉敷クリスマスマーケットだったのも、倉敷とことこで初めて公開した記事がその参加レポートだったのも、なんだか必然のような気もする。
なんと、この倉敷のクリスマスマーケットは昨年が初回だったらしく。
今年も開催されると知ったときのわたしの喜びようったら、それはもう仕事中にクリスマスBGMをPCから流しながら小躍りした。
今年は告知記事のインタビューから任せてもらい、会期中は二日間とも倉敷アイビースクエアへ足繫く通うクリスマスガールっぷり。
もちろん今年も、アイキャッチはわたしです!!!
(この一年で、ずいぶんとお顔がまるまるとしてしまったことと向き合う良いアイキャッチになりました。来年は、もう少しシュッとしたお顔で決めたい!が、2025年のBUCKET LISTに追加されましたよ……)
クリスマスの良いところって、もうとにかくみんなが浮足立っているところだと思っていて。
Kurashiki Christmas Market 2024の開場、倉敷アイビースクエアには二日間で二万人以上の来場客が訪れたわけで、それはそれは長蛇の列ともんのすごい混雑だった。にもかかわらず、みんながソワソワしながら会場内での時間を楽しんでいた。
数年前、クリスマスや年末年始を控えた時期に大きな移動の制限があって、人と人との距離を保たねばならなかったあの日々を覚えているだろうか。
わたしは確か、サンタさんとソーシャルディスタンスの打ち合わせを何度も重ねて、サンタさんにはオール手話のみで対応してもらって一切声を出さずに、でも子どもたちへ直接プレゼントを手渡してもらうクリスマス会を準備した。(ろう学校幼稚部教員時代)
大人になって、サンタさんからプレゼントをもらう日よりもサンタさんのお手伝いをする方が数倍幸せになれるのだなと実感した半面、人生で初めて両親と年末年始を過ごせない冬に、せつない気持ちになったことをよく覚えている。
あの、人と人が意図的に距離を保たねばならなかった期間から数年後に、二万人の人が倉敷美観地区のイチ施設に集うクリスマスがやってくるだなんて。そんなこと、信じられなかったように思う。
「明けない夜はない」
一見なんの変哲もない当たり前なことかもしれないけれども、あの日々を越えたわたしたちにとって、誰かと集い、おいしいものをおいしいと言いながら分かち合えるクリスマスがどれだけ幸せなことか。
来年も再来年も、ずっとずっと「まりちゃんは、クリスマスに浮かれるお調子者だね」なんて言われ続ける冬を倉敷で重ね続けたいと、心から願っている。