欲張りなわたしに、二十四節気七十二侯を|2024.大寒・款冬華
そう語りながら自分の好きなものを追い続ける憧れの人の背中がまぶしかった。わたしもいつか、そんなことを言うオトナになるのだろうか。(いやもう、充分オトナなのかもしれないけれども)
「倉敷のどんなところが好き?」
と尋ねられるとき、一番に思い浮かぶのは夕焼け空。
晴れの国とも呼ばれる岡山県は、とかく気候が穏やか。そのうえ、景観地区に指定されている美観地区をはじめ高い建物が少ないため、ふと顔を上げるといつも大きな空を堪能することができる。
■二十四節気七十二侯とは
【気候】といえば。
この note の更新頻度の目安としている七十二侯は、明治時代に政府が太陽暦を採用するまで使用されていた日本古来の季節を表すことば。この「気候」二十四節気の「気」と七十二侯の「侯」を組み合わせた言葉なんだとか。
太陽の高さが最も低くなる「冬至」、最も高くなる「夏至」、その間の「春分」「秋分」の四つを基点に一年を二十四等分して、さらにその季節にふさわしい虫や植物の名前でそれらをさらに五日ずつ分け分けした七十二侯。
・移住生活の一瞬をつぶさにわたしのものにしたいから
初めての土地での暮らし、新しい仕事……
毎日が刺激的で、楽しくて、正直なところ一日は二十四時間では足りないし、わたしの身体も一つでは足りない。ハリーポッターに出てくるタイムターナーやドラえもんの分身ハンマーが、切実に欲しい。
さすがに後半は冗談だけれども、毎日が刺激的なこの日々は、一瞬で過ぎ去っていく。その一瞬をつぶさにわたしのものにしたい。
なんて欲張りなんだろう。でも、めぐりゆく季節はわたしのことなんて待ってくれない。ねぇ、待って。
倉敷に越してきた11月の末はまだ、美観地区を流れる川舟を包み込むような紅葉に見惚れていたというのに。
気付けばもう、ヒマラヤザクラがうっすらと、でも確実に春の訪れを喜んでいる。秋は冬に、そして冬は春へと向かおうとしている。ねぇ、わたしを置いていかないで。
・欲張りなわたしに七十二侯を
ちょっぴり焦るような気持ちでいたときにわたしのものへ届いたのが、この茶道手帳。
わたしは茶道を習っていて、その先生が毎年お歳暮返しにと翌年の茶道手帳をくださる。去年は倉敷への移住もあったので、茶道手帳が発売される前にお歳暮を渡してしまっていたのだ。
倉敷へ越してきて以来久しぶりに手帳を開くと、ウィークリーページに季節の言葉が並んでいて。その言葉たちを眺めながら「そうだ。これだったら、一瞬をつぶさにわたしのものにできるかもしれない!」とひらめいてこのnoteの更新を七十二侯に合わせることにした。
noteのタイトルに七十二侯の言葉を添えるならば、その言葉の意味を改めて調べたり、その言葉を手掛かりに街を歩くことができるかもしれない。そうしたら、その季節ならではの倉敷を身体いっぱいを使って感じることができるのでは。
■款冬華(ふきのはなさく)
冬眠から目覚めた熊は、最初に蕗を食べるのだとか。なんと。もう、大きな動物たちが目を覚ます時期がやってくるのだ。
わたしもちゃんと目を覚まして、地域おこし協力隊としての活動を本格的にスタートしよう!と思い、12月はストーリーズしか投稿していなかったInstagramのフィード投稿を始めてみた。
「mari-maga」はじめました
どんなページにするかはだいぶ悩んだのだけれども、倉敷に暮らしてみてわたしが好きだなと思った風景の写真とともに、マガジンを作って投稿してみることに。その名も「mari-maga」。
まだ始めたばかりなので自己紹介ばかりしているのだけれども、少しずつ活動の様子の写真も整理してまとめていく予定。
ストーリーズは写真と手話で発信をしているので、マガジンは写真と言葉で、活動の様子を紹介しようと思っている。それから、聴覚障がいのことも、もっともっと身近に感じてもらえるようなコンテンツになったらいいな。
障がいの有無にかかわらず「倉敷に行ってみたい」「倉敷に住み続けたい」と思ってもらえるような情報を発信できるよう、頑張るぞ!