週刊カスタマーサクセスVol.9(人材交流でCS強化/ホスピタリティの誤解/共通言語)
おはようございます!
雨が続く、今日この頃ですがいかがお過ごしですか。
みなさんは、雨の日はどんな気持ちになりますか?
わたしは、晴れの日とはまた違った神経が研ぎ澄まされる感覚があります。
晴れだとなんとなく、いい感じに思えてしまうことも、雨だと本質を見たくなる、という不思議なかんじ。
最近は、ブライダルフェアに行っていて、
さまざまな式場の、さまざまな接客を受けるのがすごく面白いです!
ブライダルフェアってある意味、結婚式というまあまあ高額な商品を販売するための、入り口の無料体験のようなもの。(試食も無料ですし☺️)
そこでの体験が、会場全体の印象を決めるし、ゲスト対応にも関わってくる、スタッフさんのおもてなしを見てしまいますね。
(しかも、売り切りではなく、意外と披露宴が終わった後も、親族/ゲスト共に、レストラン利用など継続収益も期待できるかもしれません。)
ちょっと意地悪ですが、担当の方をカスタマーサクセスめがねで眺めてしまう今日この頃。雨だからしかたない!?
そして、心を動かされることがあれば、言語化したくなる。そんな日々です。
記事でもシェアしていきますね。
# 気になるCSニュース!:人材交流でCS強化
さくらインターネット、
ロイヤルホテルとの相互出向による人材交流を2021年7月より実施
https://www.jiji.com/jc/article?k=000000011.000018198&g=prt
今日ご紹介する記事は、
THE! カスタマーサクセスの話題!という感じではないですが
あ、こんなところにもCSの要素が・・・。
と発見するのが楽しく、
ひょんなところからCSについてより深く知ることが楽しい三原です♪
クラウドコンピューティングサービスを提供する
さくらインターネット株式会社
と、
リーガロイヤルホテルなどを運営する
株式会社ロイヤルホテル
が、両社の社員が互いの会社へ出向する人材交流を行う、というリリースです。
さくらインターネットは、ロイヤルホテルのホスピタリティを学び、
自社のカスタマーサクセスの向上を図ることで、さらにお客さまのニーズに沿うサービス創出を目指します。
とのことなんですね。
まず1996年創業のインターネット企業である
さくらインターネットがホテルのDXについての知見を共有する、と。
今、ホテルに限らずDX、DXと言われていますね。
こういったレガシー業界の課題として、IT人材が少ないことから、システムの自社開発が難しい点があります。
DX(=デジタルトランスフォーメーション)にはさまざまな定義があると思いますが、下記のようなペインを解決することは大きな目的のひとつと言えそうです。
それは、IT人材不足であることで、システムを外部発注に頼らざるを得ない。
すると改修などのたびに、発注作業が毎回必要となり、多大な時間がかかってしまいます。
会社の成長、そしてこのスピードの速い市況の変化へ柔軟に対応できることが今は急務であり、DXの迅速な推進が必須なのですね。
そして、ここにCSが登場。
ホテルのホスピタリティを学ぶことで、
自社のサクセスの品質を向上していくということ。
面白いですよね。
どんな風に、ホテル人材が持っているホスピタリティスキルを、
IT企業のCSのエッセンスに落とし込んでいくのだろう?と思い興味津々。
わたしもかねがね、ホスピタリティは、
カスタマーサクセスに必要なスキルだなあと思っています。
では、ホスピタリティって何ですかね?
これについて、ホスピタリティを専門で研究されている
大学教授の興味ぶかい記事があったので、次のコーナーでご紹介します!
# 日常を「カスタマーサクセスめがね」で眺めてみたらVol.9:ホスピタリティの誤解とは
真のホスピタリティとは何か?
世界のラグジュアリーホテルのおもてなしを検証した大学教員が語る
https://www.toyo.ac.jp/link-toyo/business/hospitality/
先週の記事で、CSも大切だけど、ESも無視しない
ということをお伝えしました。
ここすごく大切だと思っていて、そのテーマにつながってくる記事を見つけたので、ご紹介します。
INTERVIEWEEの徳栄教授は、ホスピタリティについて研究をされている方なのですが、
「みんなホスピタリティ を誤解している」
と、バッサリおっしゃっています。
皆さんは、ホスピタリティと聞いて何をイメージしますか?
わたしがまず思い浮かべるのは、
スタッフがものすごーく献身的に、顧客対応をするイメージ。
例えばサービス業の代表と言えるホテル業界。
お客様がホテルに忘れ物をしたから、
新幹線で東京から大阪まで届けにいった
とか、美談エピソードとして紹介されがちですよね。
でももしこれが、お客様にとって やってくれて当たり前、となったら
スタッフは、時間もカラダも持ちません。
そうそう。
なんだかたしかに、自己犠牲的なイメージがあるかもしれません。
相手にとにかく尽くしてあげることを美化する風潮が日本にはありますが、
提供する側が不幸になってしまってはホスピタリティとは言えないと考えています。
と、教授も述べています。
そうではなく、、
不確実性のある環境下で相手を満足させ、信頼関係を構築することがホスピタリティ
とのことなのです。
記事では、お寿司屋さんを例として挙げています。
・回転寿司
→ 得られるサービスが『確実』
美味しいものをお腹いっぱい食べて満足する以上の感動的な体験をすることはない
・回らないお寿司屋
→ 得られるサービスが“不確実”
値段もわからない。大将のおまかせで、何が出てくるかわからない。
これまでに食べたことがない美味しいネタを食べられたら、感動する!
単に、お客様のわがままに答えるのではなく、不確実性の中で信頼関係を構築する。
この表現だと難しいかもしれないですが、メッセージは、こういうことではないでしょうか。
・『相手に何かをしてあげる』という発想を重視しすぎて、自分が疲弊しては幸せになれない。
・サービス業に携わる人は“いかに自分と相手の双方がハッピーになるか”ということを追求するべき。
ということ。
なんかちょっと、
身につまされる忠告でした。
ついつい、相手に尽くしてしまう。
もちろん、思いやりをもち、相手のために動くのは、いいことですが、
自分のことが置き去りになってはいけません。
自分が幸せでなければ、善意からの行動も続かないのですよね。
続かなければ、お相手にも、価値提供がストップしてしまうので、結果的によくないですよね。
個人でもこういう方いらっしゃると思いますが
組織となると、なおのこと。
カスタマーサクセスチームでも、
いくら「顧客を成功に導く」と言っても、
お客様のどんなわがままに答えられるように、
従業員の体験無視で取り組む!!
という形では、組織は疲弊します。
たずさわる従業員もヘルシーでハッピーでありながら
顧客に価値を提供する、ということを
忘れてはいけないと思いました。
# ユーザーサポート実践録:コアバリュー(共通言語)と帰属意識
優れた組織のリーダーは、
WHY(なぜ)を打ち立てます。
先週はそんなお話をしました。
引き続き前田ヒロさんPodcastから、SmartHRさんのインタビューで学んだことなのですが、
コアバリューを浸透させていくことで、
チームが強くなった、というお話も印象的でした。
ミッション/ビジョン同様、
従業員の行動指針となるコアバリューを設定。
例えば、SmartHRでは、
”早い方がかっこいい”
というバリューがあるそうです。
(いいですよね!外部のわたしでも頭に残っちゃうフレーズ。)
早い方がかっこいい
あれこれ悩む前に、動き出そう。
まずは荒削りでもOK。
最速のアウトプットを心がけ、
フィードバックのループを素早く回していこう。
大きな意志決定も、即断即決でいこう。
それがチームを加速させ、社会を加速させる原動力になる。
(SmartHRのHPより)
では、それをどう浸透させていったか?
当初エンジニア中心組織だったので、
朝礼で読み上げるとか(エンジニアが嫌がりそうなことは)やらなかった。
Slackで、自然と「早いほうがかっこいい」スタンプができて
このバリューに合致する投稿があったときには
幹部が積極的にスタンプを連打したりすることで浸透されていった、
みたいなことをおっしゃっていて、
面白いなあと思いました。
こういう「早いほうがかっこいい」みたいな言葉が
従業員の間では、行動指針でもあり、共通言語になっていく。
コミュニティと共通言語の重要性は、
さまざまなところで語られていますよね。
以前どなたかの本で、共通言語は組織の体幹である、と表現されていたのを見たこともあります。
そういうことが、構成員の帰属意識を高める
きっかけの一つになるわけです。
CSの話からずれてしまいましたが、
わたしが携わったあるユーザーコミュニティでは、
コミュニティーのコアバリューを定めていました。
もはやそらでも言える、共通言語をみんなで「あ、今の〇〇だよね」と、なんども交わす。
そういったことが、帰属意識を高めて、よりそのサービスに愛着や価値を感じるようになっている気もしていました。
そんなとき、SmartHRさんの組織づくりの話も聞いて、つながって、面白いなと思っています。
終身雇用神話が崩れて
人材が流動化した時代においては、
(=転職の障壁が下がった)
組織は、その構成員にとって
魅力的であり続ける必要がある。
これって、
サブスクリプション時代に
(=入会も解約も障壁が下がった)
商品/サービスが、
ユーザーにとって、魅力的であり続ける必要がある
構造は、同じだなぁと思うわけです。
そんな切り口で、これからもお話ししてみたいと思います。
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