高さ4mの板碑「寅子石」を見に行きました
埼玉県蓮田市にある板碑の寅子石を見に行きました。
そこは田んぼ道の中にある小さな墓地で、入り口には赤い花が満開に咲く木があり落ち着いた雰囲気の場所でした。墓地の中にある一際背の高い石碑が寅子石です。石の色は青みがかって美しく、深く掘り込まれた文字は普通の漢字の書き方とは違い異彩を放っていました。梵字とよばれる文字だそうです。そしてものすごく背が高く大きいのに真っ直ぐに立っていました。
板碑(いたび)とは、供養塔として使われる石碑の一種で秩父産の緑色片岩を加工して造られていて、青石塔婆とも呼ばれているそうです。主に関東に分布し、設立時期は鎌倉時代から室町時代です。
今回訪れた寅子石は、埼玉県で2番目の高さ4m の板碑で鎌倉時代の延慶4年(1311年)に唯願法師が真仏法師(親鸞の直弟子)の報恩供養のために建てられました。
そしてこの板碑には寅子石と呼ばれる所以である恐ろしくて悲しい伝承話があります。
最初にこの板碑について調べたときにはこの伝承話には気づかず、弟子が師匠の供養のために建てた供養塔という認識だったので、見学後この伝承話を知った時にはゾクッとしました。場所も田んぼの中にぽつんとある墓地なので夜はこわそうです。そして入口の赤い花の木も意味深に思えてきます。
今回は埼玉県で2番目の高さの板碑「寅子石」の圧倒的な存在感、怪しく咲く赤い花の木、竹取物語の怖い話のような伝承話も全部合わせてとても貴重な体験でした。また、様々な板碑を巡ってみたいと思いました。