2021/5/7 銀座シャネルネクサスホール「MIROIRS – Manga meets CHANEL」
銀座シャネルネクサスホールで開催中の「MIROIRS – Manga meets CHANEL」をみてきた。
MIROIRSとはフランス語で鏡。
入り口にはドアノーが撮ったココ・シャネルの写真。カンボン通りのシャネルのアパートで撮られたらしい。少しずつ動いているシャネルのシルエットがカッコいい。
3つのセクションからなっていてそれぞれがシャネルと現代に生きる私たちに繋がっている。
1章:赤の部屋「魔女」
一番最初の部屋は赤の部屋。タイトルは「魔女」
最初のセクションの入り口にはこんな言葉が書いてある。
「翼を持たずに生まれてきたとしても、自分の翼が育つのを妨げてはならない」
父親から教会に預けられて施設で育ったココ。同じ制服を着せられていたのにシャネルだけ少しオシャレで、でもシスターたちは違いがわからなくて叱れなかったらしい。
19世紀末から20世紀初めのファッションは絢爛豪華さが売り。それをシャネルは全て取り払ってシンプルな作りにした。当時は葬儀にしか着なかった黒のドレスを作ったのも時代への挑戦。そう、シャネルは常に時代に挑戦してきた。
「アクセサリーをつけ終わったら、一つ外してから出かけなさい」とも言ったらしい。
フリフリをモードにハサミで変える…これが赤の部屋のコンセプト「魔女」だった。
新しい装いで出かけた街は新しい世界が広がる。大人の世界。
2章:白の部屋「嘘」
2つ目の部屋の中心となるのが香水「シャネルNo.5」
入り口にはマリリン・モンローのアイコニックな写真。シャネルNo.5とマリリン・モンローは切っても切り離せない関係だ。
中には香水瓶が並べられている。これもシャネルのコンセプトを表すようにシンプルでモダンなデザイン。
いくつもの名前を持って生きる女の子が本当の名前を明かす、と言うストーリーが展開されていた。
3章:黒の部屋「カラス」
正直この部屋が一番印象的だった。
ブランドを身に纏うというのはデザインだけでなく、デザイナーの哲学を身に纏うのと同じこと。シャネルを身に付ける人はデザイン性だけでなく、ココ・シャネルの生き方を身に付けたいのかもしれない。
自分の生き方を生きる。簡単なようでいて、どれだけの人がそれを実現できているだろう。
中では男らしくない、と周りから言われている少年の目線での世界が描かれている。
ファッションの目線で考えると21世紀は女性の方が自由度が高いかもしれない。パンツスタイルの女性は当たり前だけど、まだまだスカートを履いた男性は奇異の目で見られる。
そんな彼が出会った友人は颯爽とスカートを着こなした。
主人公の少年はスカートを纏って初めて男らしさが発揮される。男らしさとか女らしさってなんだろう?社会的なファッションセンスではなく、自分らしさの追求なのかもしれない。
最後に…
20世紀のファッションに革命をもたらしたシャネル。奇抜なことをして目を引くのではなく、自分の「スタイル」を徹頭徹尾追求し続けた。100年経った今でも不動の人気を誇るのはココ・シャネルの精神に世界が魅了され続けているからだと感じられる展覧会だった。