【虹色のきものの作り方⑧】大人用六通帯を,子ども用ふくら雀風作り帯にリメイク
こんにちは,マリッコです。
娘7歳の七五三,無事に着物が出来上がり,小物も整ってきました。
今回は結構てこずった作り帯を紹介します。
本当であれば,子ども用の全通の(柄が全部入っているもの)袋帯で手結びでやってもよかったのですが、市販されているものは極めて和風なもので、結構クラシカルなものだらけ…
マリッコ「ねぇ,どんなのがいいの?」
娘「あぁ,お母さんが持ってる,これでいいよ」
これは,練習用か素材用にと思って購入した,1本300円だったのが何と半額150円の礼装用袋帯。
シルバーがベースで,優しいピンクがメインカラーです。
でも,これは六通帯で,間の部分に模様がありません。
マリッコ「あのね,これは途中で模様がなくて…」
娘「えー,これがいいの。絶対私の着物に合うと思う。優しい色だし」
確かにそうなんです。
でも,子ども用にするにはどう考えても1本のままだと無地の部分が出てきてしまうはず。
これは…切るしかないか…
参考にした本
作り帯も数多くあれど,なかなか裁断して作成するタイプの作り方(しかも礼装用)は見つかりませんでしたが,アマゾンで見つけたこちら。
に,イラストではありましたが,2部式での帯の作り方と着用方法が載っていると知り購入。
当然大人用なので,子どもサイズに考え直して作っていくことにします。
事前の準備
リユース品なので,一度洗うことにしました。
表地と裏地を外し,間に入っている帯芯は捨てました。
表地と裏地をそれぞれ洗います。
まずは酸素系の漂白剤に浸して…
10分くらい浸したら,すすいで,エマールで押し洗い→すすぎ,ネットに入れて洗濯機で1分程度軽く脱水をかけました。
脱水したら,すぐにアイロンをかけました。
アイロンをかけたら,そのまま干して乾かします。
裏地も同様にしました。
150円の帯だからできる技です。
高級な帯の場合にはあまり無理をしないほうがいいかもです。
作り帯の作り方
胴巻き部分
帯の幅を決めます。
色々な帯をネットで見てみましたが,イマイチわからず。でも,一般的なジュニア帯というのは十三参りにも使える感じの少しお姉さん用のように感じました。
こちとら七歳といっていますが,実はまだ誕生日が来ていない六歳児でして…
体にあまり負担がかからないように,幅は26cmと決めました。
本の中では胴に2重巻きをして,その間に帯板を入れるタイプでしたが,ただでさえ激重の浜ちりめんの着物なのでできるだけ軽くしてあげたいと思い,ここは一重で済むようにアレンジです。
帯板を入れるのにポケットを付けることにしました。
また帯芯と裏地に関しては,本では帯芯を全面に貼っていますが,ポケットを付けることと,とにかく軽量化を目指したいので,ポケット部分には帯芯ナシ,帯芯を付けるところには裏地ナシというようにしてみました。
(実は一度,すべてに表地・裏地・帯芯を付けたら,それだけでモッタリしてしまったので作り直しています)
裁断は,縫い代込みで幅28cm,長さ89cmにしています。
幅に関しては,帯の柄の様子を見て,あまり大きくバランスが崩れないように両端から同じ分だけカットすることにしました。
ポケットの部分は,裏地を使っています。幅28cm(帯と一緒),長さ25.5cmにしています。両端はロックミシンをかけました。
帯の表を上にして,ちょうど中央が合うようにポケットを配置します。
上下をそれぞれ縫い代1cmで縫い合わせます。ミシンを使いました。
先ほどの縫い代が中に入るようにひっくり返します。
下の画像のようになります。
中表にして,端同士を待ち針で合わせます。(反対側も同様です)
端からポケットのところまで,縫い代1cmで縫い合わせます。
帯芯を縫い付けます。帯芯はポケットには付けないので,端からポケットの始まりのところまで。
幅は,帯の出来上がりの幅と一緒なので26cmにします。(下の画像でいう,帯芯の縦の部分の長さ)
帯芯は,帯の縫い代の線に上端が合うように配置して,縫い代で帯芯を隠すようにします。
帯芯を挟んだ状態で,縫い代を端から0.5cmで縫い留めます。
帯芯を真ん中からおり上げて,端を合わせます。(めっちゃピンボケしてますね)
ここも端から0.5cmでとじ合わせます。反対側も同様に。
胴巻きを固定するための紐をつくります。綿で作りました。だいぶかちゃましいですが,きっと見えないから大丈夫と信じて…
紐は,滑らない素材がいいそうです。
縫い代込み,幅8cmで長さ75cmにしました。
①上下を1cm折ってアイロン,真ん中の線もプレスします。
②片方の端は,画像のように縫い代を折った状態で中表にして,端を1cmで縫い合わせて角を落とし…
③角を出しながら表に返すと,きれいに端が処理できています。
この状態で,端を縫い合わせます。
もう片方の端は中に入れ込んでしまうので未処理です。
同じものを2本作りました。
紐を入れて縫い合わせます。
色々と数字が入り組んでしまっていますが,
下の画像の向かって左側から…
帯の中表になっているところに,紐の未処理のほうが外に少しだけ出るようにして中に入れます。
場所は真ん中。
緑の線は,端から2cmのところで,縦に3.5cm縫います。
緑の縫い目の両端は,帯の端から11.5cmのところと繋がるように縫い合わせます(赤の部分)。
向かって右側の部分。
紐は同じように未処理の端が外にでるようにして配置し,帯の端から2cmのところを,上から5.5cm縫います(青の線)。
そこから,帯の端から9.5cmのところを結ぶように縫います(赤の線)
紐はそれぞれ,まっすぐくっつくように気を付けました。(縫い目で曲がったりしないように)
ポケット部分から表に返します。
端の縫い合わせた部分はできるだけ角が出るように頑張ります。
ポケットの部分は,表地に対して裏地が少し控えるようにアイロンをかけました。
お太鼓の部分
お太鼓の部分は,3枚で仕立てました。
出来上がりの幅が27cm,長さが82cmになるようにしたいので,表地・裏地は,幅に両側2cmずつ計4cmの縫い代を入れて,幅31cmに。
長さは上下に2cmずつ,計4cmの縫い代を入れて,86cmに裁断しています。
芯地は出来上がり寸法で縫い代はなく,幅27cm,長さ82cmで裁断しました。
結構目立つところなので,柄の出方に注意します。
上になる部分は隠れてしまうので,下のたれの部分と,お太鼓になる部分の模様の出方を優先して決めます。とはいえ,この模様はあまり目立たないので何も気にせずバッツリいってしまいました。
イメージとしては,お太鼓の部分が27cmくらい,たれが6cmくらいなのかな?と思って作りましたが,この辺りはけっこう調整がききそうな気がしました。結局,上の部分の,帯に入れ込む部分が長くなってしまったので。
表地と裏地を中表にして,縫い代2cmで縫い合わせます。
上になる部分の中央18cmを返し口として縫い開けておきます。
模様の上下が目立つところなので,気を付けます。
縫い代を,アイロンで折ります。
重なっている部分は浮かないように糸で縫い留めました。
縫い代を折った状態で,上から芯地をかぶせて,返し口は残して縫い付けます。端から0.5cm程度。
返し口から表に返します。アイロンで整えます。
返し口は縫い目が目立たないように閉じます。
ふくら雀っぽい感じにするのに,上の部分をひだをつけつつ畳みます。
表に響かないところを縫い留めました。
実際は,もっとこの折ってある部分が長くなります(想像よりも大きかった)。
ここの部分に後からワイヤーを入れて,背中に差し込むようになります。
この後に作る羽根の部分のボリュームにもよるので,お太鼓の部分はここで一度終了です。
羽根の部分
ふくら雀の,お太鼓から覗く羽根の部分を作ります。
最初はオーソドックスに1枚の羽根だけで作ろうかな,と思っていたのですが,六通帯の無地の部分が意外とクリーム色できらきらしていてきれいだな,と気になっていて。
なので,実際にそんな帯結びはないと思いますが,普通の羽根のものと,表地の羽根に無地の羽根を重ねてみたものも試作してみて,娘本人に希望を聞いてみました。
(表地を2枚重ねた羽根は,長さの関係で断念)
娘「やっぱり①番」
重ねた羽根を作っていきます。
下の画像,定規の長さと説明の長さが違いますが,実は大きく作りすぎたので作り直したけれど写真は撮っていなかったのでイメージとして載せています。
画像の中の数字が,実際に使った長さです。
無地のところと柄があるところの切り替えをうまく使いたかったので(できれば縫い合わせたくなかった),柄の切替を中心として,無地は26cm,柄は32cmの計58cmを切り出します。
イメージ的にはこんな感じになります。
こんな風に折ってあります。
表地と裏地を,表を上にして重ねています。
一度開きます。
中表にして,柄の切り替えの部分でそれぞれ合わせます。
(無地は13cm,柄は16cmで,下の画像の赤い丸の部分でそれぞれ重ねるように)
この状態で,上下を縫い合わせます。
空いている部分から表に返して…
空いている部分を内側に隠すようにパタンと倒します。
これをもう一つ作ります。
無地の部分が3cmずつ重なるように合わせて,中央をミシンでダダダと縫います。
中央の縫い目から,端まではそれぞれ13cmになります。
ちなみに,失敗してやり直したら微妙に生地が足りなくなってつぎはぎしているので,上の画像は参考までに。。。
ひだを作ります。最初に,中央を掴んで山を作り…
上と…
下も同じように山を作ります。高さは同じくらいになるように調整しました。
この形をキープできるように縫い留めます。
(でも結局,この後やり直しをしたので,本番用はゴムで縛っただけになっちゃいましたが)
お太鼓にかぶせてみます。
出来ればトルソーとか本人とかに当ててみて,実際の感じを見たほうがよいです。
胴巻き部分を巻いて,紐を中に入れます。
お太鼓の細くなっている部分を胴巻きに差し込みます。
ここで,帯受けを使うと安定しました。(美容師さんは使わなかったけれど…)
帯枕に帯揚げをかけたものを,この帯受けにおいて,帯枕は一度前で縛ります。
帯枕の上に羽根を置いて,お太鼓部分を下ろします。
帯締めをかけて,たれの長さを調節します。
このときに,お太鼓のバランスも見ます。お太鼓が長いようだったら背中に入れる部分を長くするなどして,よいバランスを探ります。
この時に,同時に羽根の場所も決めます。
それぞれ,よいバランスが決まったら目印を付けて,一度外します。
羽根の部分は,良さそうなポジションが見つかったら洗濯ばさみで仮止めして…
そこを,裏から縫い留めます。
これで固定されてしまってバランスを調整するのがそのあと難しくなるので,縫い留めるのはお好みで。
でも,どうしても羽根が落ちてきてしまうような気がして嫌だったので,マリッコは縫い留めました。
次に,お太鼓の背中に差し込む部分。
どうしても柔らかかったので,針金ハンガーの肩の部分を使って芯を付けることにしました。
先っぽの部分は,外れないように,バイアステープに両面テープを貼ったものでグルグル巻きました。
同じものを2本作ります。
折りたたんだ中に,こんな風に入るようにします。
中に入れたら,要所要所を,出てこないように縫い留めました。
背中に入れる帯の部分が折り返すくらいに長いことが分かったので,ハンガーが下のほうに行ってしまわないように,わっかになっている部分で動かないように縫い留めました。
もう一度着せてみて調整して,とりあえず完成です。
終わりに
着付けをしたことない人が作った作り帯なので,まぁプロから見たらアララかもしれませんが,とりあえず娘の着物の世界観を壊さないものが出来たので良かったです。
ギリギリ余った生地で,バッグも作りました。
実は今回の七五三で,娘の一番のお気に入りがこのバッグだそうです…
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