チョイ住みinパリ
ちばくんの伝説の番組。
たぶんリアルタイムで見ていたと思うけど、7年前のわたしはちばくんにまったく気づいていなかったので、見ていたかどうかもうろ覚えだった番組。
ちば友さんたちの熱く熱いリクエストで、ついに再放送(再再放送)と相成りました!
スタートからマイペース炸裂
不安に満ちた仔犬のような目をうるうるさせて空港で道に迷うちばくん。
こんな感じでスタートして、
「1週間と言いつつホントは5日間しかないのにこの子大丈夫なんか?」
「わたしなら、なんとかして7日間滞在したいと思うのに、スタートからちょっと不利やん」
とヤキモキしながら見ていた当時のわたし。
しかし、記憶には残ってなかった画面の向こうのちばくんは、至ってマイペース。
これは今回のオンエアで分かったことではあるけど、ちばファンとなった今ではそんなのは彼のデフォルトすぎて、「ああ、昔からこういう人なんだな」と感慨深くなったくらいです☺︎
武井さんのブログを当時読んでいた
これも今回思い出したことで、忘れてたなんてオソロシイです😱
なんで忘れててん、と思いますが、ブログを読むくらい感心して見てたんだなと当時の自分を考察します。
この番組、他の回を見たことある人はわかるかもしれませんが、一緒に暮らすふたりの相性がいつでもいいというわけではないんです。
誰のときか忘れたけど、結構ハラハラしながら見ていた時もあって、それがこの武井・千葉ペアだったらどうしよってちょっと心配だったけど、杞憂でした。
そりゃそうだ、だってちばくんだよ。
マイペースでありながら、スーパー人に合わせるマンの千葉雄大くんだよ。そりゃそうだわ、揉めるわけがない。
しかし、ちばくんが我慢してるということではなく、武井さんという人もものすごくステキな人生の先輩でした✨
人が成長するのに時間は関係ない
イケメンの若手俳優が、割と頼れる(言い換えれば少し強引な)年長者と海外で共同生活を送り、なんだかんだと苦労して(「海外で暮らす」ということだけではなく「誰かと暮らすこと」の苦労も含む)でも最終はちょっと成長してめでたしめでたし、というのが、なんとなくわたしがこの番組に持っていた印象でした。
でも、第1回はそんなイメージとは異なっていました。
ちばくんの成長は「ちょっと」どころか「大いに」だったし、それがパリという街との出逢いだけではなく、共に暮らした人からまっすぐに受けた刺激に依ることも多かった。
ここ、本当に千葉雄大という人そのものを表していますよね。
滞在期間たったの5日間で、ここまで成長できた彼と共に、見ているわたしもそのことを擬似体験できたから、ちばくんと一緒にドキドキしたりじーんときたり、ほっとしたりできたんだなぁと思います。
リアルすぎる「うまくいかなさ」
ともすればいろんなことが実はお膳立てされていて、迷ったり悩んだりしているフリをして、最後は暮らした街の人みんなと涙のお別れをして終わり。
この番組は、そんなよくあるお仕着せの内容ではなかった。
はじめに決めた「最終日にホームパーティー」という目標は、あっという間に崩れ去っていった。
ローラースケートで話しかけてくれた人とはその場の会話で終わったし、リベンジした美容院では会話を広げることもできなかったし、せっかくでかけたアクターズスクールは部外者門前払いだったし、自分を覚えてくれていたワイン屋さんはその日がお別れの日だったし、しかもそのことに別れてから気づいてしまったし。(このあと、とても名残惜しそうにお店の外から彼を眺めるちばくんの姿もめちゃくちゃリアルでわたしは好きでした。)
ほんとに、何ひとつうまくいきません。
でも、実際の自分たちの生活だってそんなもんです。
いくら旅だとしても、人との距離なんてそんな簡単には縮まりません。
現にわたしもそう。そんなに簡単に心の扉を開けられるタイプではありません。
だから逆に、こんなにことごとくホームパーティーという目標から遠ざかっていく現実を見て「そりゃそうだわな」と半ば安心したのも事実です。
これがうまくいく人、実際にはほとんどいないはずだもん。
うまくいかない、それがリアルだと思います。
そして、今ならわたしはちばくんという人はとても時間をかけて距離を縮めていく人だと知っているから、彼が見知らぬ海外の地ですごく勇気を振り絞っていることにただただ拍手👏を贈りたいという気持ちにもなりました。
ひとつひとつの出逢いを、きちんとまっすぐ捉えていて、自分の中で通り過ぎるものにしていない。
だから、どの場面でも満足そうな表情をしているし、ホームパーティーなんていう目標のことなんか途中からどうでもいいやという気持ちになっている、その潔さもちばくんらしくてとてもいいと思いました。
目の前の人から受ける刺激
武井さんはその時々に、柔らかく、でも大切な言葉をちばくんに贈っていました。
感受性の宝箱(同じタイトルのnoteも読んでください🙇♀️)のちばくんは、そのプレゼントを真っ直ぐに受け取ります。
これは、パリという街が贈ったプレゼントでもあるなぁと見ていて思いました。
パリが大好きで知り尽くしている大人が、それなのに何ひとつ上から目線ではなく、ただ目の前の純粋で真っ直ぐな若者にそのときに感じた言葉を贈り、贈られた若者は、パリというフィルターを通して得たものと共に、その言葉をとても素直に吸収している。
そのやりとりがとても眩しいし、この番組の真骨頂はここにあったと思います。
こういうちばくんをちゃんと理解して、彼の歩幅に合わせてあげることができるのは、本当に素晴らしいスキルだと思いました。
また武井さんは、当時番組の感想が新聞に投稿された記事をシェアしてくれました。
この63歳の方は、番組を通してこのことを実感したのだと思います。
そして、この番組を見たあらゆる世代の人は、ちばくんの目を通して、何かにはじめて出逢ったときの自分を思い出していたのではないかと思います。
そして同時に、自分の人生に示唆を与えてくれた歳上の友人の顔を思い浮かべたのではないかな。
こんなに読後が爽やかな番組は久しぶりに見ました。
わたしも自分の人生の道標になった、少し年上の友人に無性に会いたくなりました。
今夜久しぶりに、ちょっと電話してみようかな☺︎
(見出し写真は、わたしにとって「パリといえば」の代名詞。大好きなジャック・タチです☺︎)