まず真っ先に「ブスだから」と思ってしまう私に必要だったのは「パーソナルカラー」「骨格タイプ」「顔タイプ」を知ることだった
中学生くらいのときに、自分の「パーソナルカラー」「骨格タイプ」「顔タイプ」を知っていたらどれだけ生きやすかっただろうか。
もし知っていたら、「オレンジのリップをつけて絶望」することも「上半身の圧倒的な厚みに絶望」することも「カジュアルな服を着て絶望」することもたぶんなかった。いや、正確にいうと絶望はするけど理屈が通っているから納得できたはず。
自分の好きなメイクで自分の好きな服を着ればいい
上記が大前提であることは間違いない。しかしながら実際に自分の好きなメイクをして自分の好きな服を着ると “あまりの似合わなさ” に絶望することがある。
たとえば私が中学生のとき、オレンジのリップが流行ったことがあった。仲のいい友人はオレンジのグロスがとても似合っていて、それはそれは眩しかったことをいまでも覚えている。
しかし私が同じものをつけたら、信じられないくらい似合わなかった。「オレンジってこんなに浮く!?」と。このとき「ああ、私はブスだから似合わないんだ」と心底落ち込んだ。
好きなメイクや好きな服を着て似合わなかったとき、まず真っ先に「ブスだから」と思ってしまう。事実としてオレンジのグロスが似合っていた友人は学校でも有名な美人だった。が、オレンジのグロスが私に似合わなかった理由はおそらく顔だけの問題ではない。
オレンジが私にとって「調和しにくい色」だったから。
しかし中学生の私はそれに気がつくはずもなく。やりたいメイクをしてもしっくりこない。着たい服を着てもしっくりこない。そういう失敗体験を何回も繰り返していくうちに、自分がブスであることに確信を持っていく。ブスであることへの自信はだれよりも強い。
この問題を解決するまで約15年ほどかかりました。莫大な時間とお金をかけて。
私はあらゆるコスメや服を買いまくり、30歳になるころには自力である程度「しっくりくる色」「しっくりくる服の型」「しっくりくる服のテイスト」を見つけました。しかしそれらはすべて自分の「パーソナルカラー」「骨格タイプ」「顔タイプ」で似合いやすいとされているものだったのです。
つまり、最初から自分が「パーソナルカラー ブルべ冬」「骨格 ストレート」「顔タイプ エレガント」ということを知っていれば、失敗体験を繰り返す回数を減らせたかもしれない。
もちろん費やした時間やお金は無駄ではなかった(と思いたい)けれど、中学生のときオレンジのグロスをつけて絶望したあの瞬間にパーソナルカラーを知っていたらおそらく下記ふたつの選択肢が追加されていたと思います。
黄み寄りのオレンジは調和しにくいから青み寄りのオレンジを選ぶ
自分にとっては調和しにくい色と理解したうえでつける
似合わないと感じた理由がわかっていたら、“色のせい” にできたのではないかと。「ブスだから似合わない」と「色が合わないから似合わない」では受けるダメージに雲泥の差があります。とくに思春期は自分を責めがちですからね。
自分のなかで「しっくりくるもの」がだいたい掴めてきた30代半ばで初めてプロに診断してもらったところ、試行錯誤を繰り返した15年間の答え合わせのようになりました。
そこでこの記事では、ひとりの女(私)を事例に「パーソナルカラー」「骨格タイプ」「顔タイプ」を知ることでどう生きやすくなったのかを紹介させていただきます。
そもそも「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「顔タイプ診断」とは
「パーソナルカラー診断」「骨格診断」「顔タイプ診断」をざっくり説明すると下記になります。専門的な内容を知りたい人はぜひ調べてみてください。
近年では上記のほかに「パーソナルデザイン(PD)診断」なるものもあり、体の一部分を見る診断ではなくトータルで診断するイメージコンサルティングも人気です。
さまざまな診断があるなかで私が日常的に意識しているのは、パーソナルカラーと骨格です。このふたつを意識して買いものをするようになってから、失敗することが格段に減りました。結果的に「無駄づかい」となってしまうことがほぼなくなったのです。
また、ダイエットをしている方はとくに自分の骨格を知っておくといいでしょう。というのも、骨格への理解があると必要以上にダメージを受けずに済むからです。骨格ごとに筋肉のつき方が違うので思うような結果が出なかったとき原因にたどり着きやすい。
パーソナルカラーにせよ骨格タイプにせよ顔タイプにせよ、なにかを「改善したい」と思ったらまず現状を知ることがいちばんの近道ではないでしょうか。
私は闇雲に試して失敗体験を繰り返してしまったので、同じような失敗を繰り返している方がいたらぜひ診断を検討してみてください。得るものが大きいと思います。
困ったときの「ベージュ」や「ブラウン」が合わないことってあるの?
私はいまから5~6年前くらい前(33歳くらいのとき)に、パーソナルカラーの診断を受けています。
冒頭に書いたようにオレンジが絶望的に似合わないことやお気に入りのコスメがすべて青み寄りのものだったこと、また、ディズニーの悪役(マレフィセントやアースラー)みたいな色づかいのメイクが得意だったことからブルーベースの予感はしていました。
診断結果は、1stが「ブルべ冬」2ndが「ブルべ夏」。
雑に分けると寒色系が得意なのですが、そのなかでも色には清濁という概念があり、私の場合は淡い色のパステルブルーよりもハッキリとした色のロイヤルブルーのほうが調和しやすいとのこと。
これまでの失敗体験からおおむね予想通りだったので結果についてはさほど驚くことはなかったのですが、実際に首元にドレープ(いろんな色の布)を当てて見た「顔色の変化」にはかなり驚きました。
なぜならベージュやブラウンなど、それまで「これならどんな人でも失敗はないだろう」と思って選んでいた色がことごとく似合わなかったのです。顔のくすみがやばい。服の色で迷ったときはベージュやブラウンを選んでいたのに。
診断を受けて、オレンジのように絶望的に似合わない色だけでなく、まあまあ似合わない色も知ることができたのは大きな収穫でした。
誤解なきように書いておくと、「似合わない色=身につけられない」わけではありません。あくまで調和しにくい色なだけなので、調和しないまま身につけてもいい。また、色にはそれぞれ「黄み寄り」「青み寄り」があるので、たとえば私が黄色い服を着たいときは青み寄りのレモンイエローなら調和しやすくなります。
このようなパーソナルカラー(というより色彩学)がとても興味深く、知っておいて損になることはひとつもないと思いました。
1年間で30キロ減量しても「強そう」と言われてしまう骨格ストレート
私は2019年10月から1年間で30キロほど減量してダイエット本『デブからの脱却』(KADOKAWA)を出版しました。そのとき自分の骨格を痛いほど思い知ったのです。
どんなに痩せても華奢にはなれない
骨格は、3タイプに分けるとざっくり下記のような特徴があります。
私はパーソナルカラー診断を受けたすぐあとに骨格診断も受けたのですが、骨格ストレートでした。といっても前述のように上半身に重心があり、手首は丸く、筋肉がつきやすいという骨格ストレートの見本のような体型だったので診断前から確信していたのですが。
ずっと華奢な体型になりたいと思っていたので、筋肉を褒められると少し複雑な気持ちになってしまいました。とはいえ、持って生まれた骨格は変えることができません。
そこで骨格ストレートの特徴を活かした筋肉質な体型を目指すことにしました。結果として華奢とはほど遠い仕上がりとなりましたが、それもまた人生。SNSでムキムキのアフター写真に反響をいただき、本を出す夢が叶いました。これは大幅なプラスです。
しかし、骨格を実感したのはどちらかというとダイエット後でした。30キロの減量で痩せ寄りの標準体重になったものの、「骨格を無視した服」を着るとすぐに事故ります。オーバーサイズのTシャツを着た日には+20キロくらいの体型に見えるだけでなく、めちゃくちゃ老ける。
これはおそらく骨格ストレートあるあるだと思うのですが、部屋着などのカジュアルな服がとにかく似合わない。痩せたらマシになるかと思ったけど、Tシャツやパーカーなどのゆるっとした服の事故りっぷりは健在でした。
一方で、ジャケットやブラウスなどジャストサイズでかっちりしたものを着ると急にしっくりくる(これは顔タイプが「エレガント」であることも要因のひとつとのこと)。
服が似合わないとダイエットをしようと思いがちですが、原因は体型ではなく「骨格に合わない服を着ている」あるいは「顔タイプがマッチしていない」という可能性もあります。ちなみに私がいちばん事故る服は厚手のニットです。体重は関係なく、漏れなく、ぜったいにベイマックスみたいになる。
私はそういった失敗を繰り返すたびに「ブスだから似合わない」とか「デブだから似合わない」とよく思っていました。もちろんそれもあるけども、似合わない原因をもっと掘り下げると案外ちゃんと理由があったりするわけで。
自分の「パーソナルカラー」「骨格タイプ」「顔タイプ」を知るといままでの失敗体験がどんどんつながっていくかもしれません。
私は “似合わない” に理由があることがけっこう救いになりました。