水瀬真奈美

水瀬真奈美

最近の記事

『過去からあなたへ』を読んで

とてもピュアな作品に思えました。 母親の想い、子の想い、父の想いが交錯する内容で、モヤモヤを残すことなくスッと読めます。 母親は状態からするとガンでしょうか。作中に出てくる映像は、余命宣告受けてからの撮影されたのだと感じました。無念だったと思います。 その時、もう子供は生まれていたのか。それとも自分の命と引き換えに生んだのか気になるところです。 子供の名前を言ってないことからと、子供と一緒に撮影されていないので、恐らく後者だったのかと想像します。 ガンの痛みに耐えながら、我が

    • 『ツギハギスターカット』を読んで

      恋愛の甘い話がメインかと思っていましたけど、意外と別れ話が中心の話なんですね。 彼はドライにも切ってしまう側、彼女が未練がある感じで、別れ際にも最後の願いなんでしょうね。 「好きだよ」「愛している」 なんて言葉をかけています。 未練は男女だとどちらが多いのでしょうか。 統計は調べてませんが、男女にかかわらず切られる側が多いのではないでしょうか。 好きでいる気持ちと、離れていった気持ちは相いれないからですね。 気になるのは、このお話に最初からお互いの「好きな気持ち」はあったの

      • クズ同士の馴れ合い。を読んで

        女子って変わったことをアピールしたくなりますよね。 そこに気づいた彼氏もすごい。 大半がわからなかった。 気づかなかったなのに、浮気をしていると敏感になるんですかね。 一番気になったのは彼女のセリフで 「そっか。あなたも…。」 です。「あなたも」ってことは、彼女も浮気をしてたことになる。 それでタイトルの「クズ同士」ってのに納得。 あれだけ敏感だった彼は、自分の浮気がバレたことによって錯乱状態だったんでしょうね。 「あなたも」を聞き逃している。 話の分かるカノジョでよかった

        • 電子音と雑音

          氷ができると自動で製氷皿に移す、 何ら不思議ではない。 着信がなる。 鼓動が高くなる。 はやる気持ちを差し置いて また氷が製氷皿にが落ちる。 着信がなる。 いやこれは迷惑メールだ。 また氷が製氷皿にが落ちる。 着信がなる。 鼓動が高くなる。 また氷が製氷皿にが落ちる。 着信音はならない。 製氷皿に氷は落ちない。 なぜなら、水が切れたからだ。 彼女との縁は切らさないでおこう。

        『過去からあなたへ』を読んで

          小さな声

          俺なんてさ 蟻みたいに小さな声だから 彼女から声を聞いてもらうのに必死なんだ 必死でアピールして聞こえて貰えた時は やったと思う。 ただそれだれ ただたんにそれだけの為に時間を費やしている 自分は「何だ?」と問いかける。 答えはでない。 なにせ、ちっぽけな蟻だもの せつせと仕事をこなし 彼女からの着信を待つ これの繰り返し いつまでもいつまでも続く道を蟻は歩いた 彼女へ声を届けるために

          初めて人を本気で好きになったのは高校生の時でした

          先輩大好きです。でも言えません 「あのさぁ、ともちゃんもこれがファーストキス、だよね」 「…………」 「だったら、ごめんね。私、奪っちゃった」 私、この瞬間をずっと待っていたに違いない。 ──── 時は戻り、今の私は中学三年生。来年度入学する予定の高校の文化祭に、学校見学も兼ねて友達と来校した。文化祭は入学説明会で言っていた通り、華やかで、先輩たちはみんな生き生きとし、輝いて見える。 その様子を見ているだけでもワクワクしていた私達は、なんとなく覗いた体育館で公演して

          初めて人を本気で好きになったのは高校生の時でした

          『睦月に想うあの顔と…』を読んで

          天邪鬼な作品だなあと感じました。 ■梅雨が始まった。 ■そして6月思い出すあの日 季語として梅雨を使用ているので、この6月はここはあえて5年前の母の死とアラビア数字でつなげたかったから続く6月が嫌いになった。部分につなげていきたいのだとわかりました。「梅雨」は冒頭の一回だけで、自然に流していったと感じます。 ■母が大嫌い。 ■この雨が大嫌い。 ■そんな私も大嫌い。 この3行が5年前の出来事と、今の心境を物語っていると感じました。 「涙は出たもののざまぁ」とあるので、この時

          『睦月に想うあの顔と…』を読んで

          私と僕の間にあるもの

          『ユキナが選ぶ、おとふ賞2024お題イラスト』に参加するために書き下ろした作品になります。イラストには、「女の子は何か悲しいことがあり、堪えている」「犬は女の子をそっと慰めている」「猫たちは懐いているが、お構いなし 」が描かれております。 https://kakuyomu.jp/users/tuyo64/news/16818093073455537895 このイラストを基にして、12歳を対象とした小説を書くコンテストになります。 私はLGBTQの問題を題材として選び、多様性

          私と僕の間にあるもの