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オランダ初の動物園!一緒に行った子が生物学者並みの知識で後半の記憶がほぼない件

去年ぐらいからずっと私をロッテルダムの動物園に誘ってくれていた子がいて、やっとこの前行くことができた。

その子の両親は動物園の年パスを持ってるぐらい動物園が好きらしく、友達と行ってきなさいと言って私の分のチケットまで買って渡してくれていたらしい。

私は動物が大好きなんだけど、動物園はあんまり行ったことがなくて。野生の方が好きってのもあるんだけど。動物園はなんか飼育されてる感があってなんかちょっとアレだなみたいなのはあって。けど普通に行くと楽しいんだけど。

日本でもあんまりないのに、オランダではもちろん一回もなく。

けど、一緒に行ったその子があらゆる館内の生命体にあまりにも詳しすぎて、途中から笑いそうになった。

そこにいた動物達に関する私のあらゆる疑問にすべて答えてくれた。

ゴリラを見て私があるテレビ番組を思い出し、
「日本のテレビ番組で、ゴリラに似た芸人(確かゴリだった気がする)が野生のゴリラと友達になろうとして森の中で待ち伏せしてる企画があってさ」と話す。

「最終的にゴリラに頭殴られたんだよ、その芸人。すれ違う時に頭をごつって。もうお腹よじれるくらい笑った」
って話をしたら

ゴリラは相手を承認するとき、頭を殴ったり顔を叩いたりするんだ。とその子が教えてくれた。

だけどゴリラの皮膚は人間の7倍硬いから、人間だとケガしちゃうね。と。

7倍硬い…ってどんな感じなんだろう、と微妙に自分の腕の皮膚を触ってみる。が、これが7倍硬いという感触を想像できる力が自分にはないことを知る。

その子はその他の動物についても本当に詳しかった。

多分この動物園に来まくってるんだろうけど、にしてもここにいる全ての動物、昆虫、鳥、たちにあまりにも詳しすぎて、生物学者に見えてきた。

キリンの柄ってなんであんなに綺麗で人工的にさえ見えるんだろうね。とつぶやくと

「キリンの皮膚の斑点模様の部分は血管が集中していて、キリンが体温を調整するのに役立ったり、新化の過程でカモフラージュするためにああなったと言われているんだ」

とか

プレーリードッグって、こんな可愛いのになんでリスとかうさぎじゃなくて、ドッグ(犬)なんだろうねってつぶやくと

「鳴き声が犬みたいだからだよ」

って即答で返ってきた。
(チェーンソーマン第二期の水族館のシーン思い出した。わかる人いる?)

そんなこんなで、その子の説明を最初は興味深く集中して聞いていたんだけど、4時間ノンストップで歩きっぱなし、説明されっぱなしで私は脳みそも体も疲労困憊してきた。

休む?と言ってもその子は体力無限なのか、「じゃあ少しだけなら。なんたってこの動物園はまだまだ広いからね」と恐ろしい発言をする。そんなこんなで、私はその日の最後の方の記憶がほぼない。

何を言われても「へー、そーなの?」しか言う体力が自分には残っていなかった。

けど、印象に残っている動物が1匹だけいた。

「オカピ」だ。

ロッテルダムのオランダ最大の来場客が訪れるという動物園「Blijdorp(ブライドープ)動物園」の
オカピ。

世界三大珍獣の一匹らしい。

小学校の同級生に運悪くつけられたクソダサいあだ名みたいなそのネーミングセンスのやばさに強烈な印象を受けたんだけど、そのアホっぽい名前と対照的に「オカピ」は物凄く上品な雰囲気を身に纏っていて、めちゃくちゃ神々しい生き物だった。

「いや…この動物、絶対オカピじゃないだろ。インスピレーション間違いすぎだろ。この動物にはもっと上品な名前が絶対あってる」

と思いつつ、自分がネーミングしようとするともうオカピしか出てこない人体の不思議。

オカピ、姿勢がめちゃくちゃ良くて首を伸ばして葉っぱを食べる時もバレエダンサーのように美しかった。まるくて大きな真っ黒な瞳は、聡明でピュアな気高さが感じられる。

この動物がこの檻の中にいる違和感がすごい。

後で気になって調べてみると、オカピはなんと別名「森の貴婦人」と呼ばれているらしい。

おい、絶対そっちにするべきだっただろ。

絶対そっちの方があってるじゃん。森の貴婦人を意味するどっかの国の言語でそれっぽいやつにしとけば良かったじゃん。

まぁそんなことはさておき。

巷ではあざらし幼稚園がバズっているようだが、私はオカピ推しである。

動物園は好きじゃないといっておいてなんだが、私はアムスに住んでいるので、次はアムステルダムの動物園も行ってみたいと思った。

狭い檻の中で生きてるこの動物達だけど、やはり普段生活していたら出会うことのない新しい生命体に出逢うのは凄く楽しいし、ワクワクした。

連れてってくれた子、ありがとう。生物学者並みの説明もありがとう。おかげでこの世の動物に少しだけ詳しくなれたような気がします。(多分ソッコーで忘れるけど)
チケットくれたお母様、誠にありがとうございました。

楽しかったです。

おしまい。

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