Day6:プロトタイプを制作する
INDEX
1)ここまでのおさらい(経過期間:23日)
2)なぜプロトタイプを作るのか
3)どのようにプロトタイプを作るのか
●ここまでのおさらい(経過期間:23日)
さて、アイディアを大量に発想することから始まり、その中のひとつに絞り、
ペルソナを想定し、CPFインタビューで課題と代替品を特定し、ジョブ(片付けるべき用事)および顧客行動を想像し、起こりうる障害のソリューションから、凡そのアイディアをまとめる。
自分でも驚くことに、hint講座を始めてから、ここまでなんと約3週間でたどり着いた。
次なる段階は、いよいよこのアイディアのプロトタイプ制作にかかっていく。
この記事では、主にプロトタイプを制作する理由について、忘れないように触れておく。
(前回斉藤さんに、サイモン・シネック「Whyから始めよ」のTEDスピーチについて教えていただいた。この動画を見た際、人を動かすだけでなく、自分にとっても、「なぜそれをするのか」ということを腹落ちさせるのは、重要だと学んだ。)
●なぜプロトタイプを作るのか
例えば、この時点でまとまったアプリのアイディアを形にするべく、いきなりエンジニアに制作を頼むとした場合。何百万、という単位の制作コストがかかることが想定される。
しかし、いざそこまで資金を投下して作ったアプリが、全然ニーズがない。
と、完璧にアプリを作りあげ、リリースしてみてから分かったら?
-損失は計り知れない。
であれば、実際のサービス・アプリの全機能まではいかずとも、「なんとなく、こんな使い勝手のサービスね」ということを理解してもらうレベルのものを作ってみて、ユーザー候補の方々の声を聴く。
そして様々な意見をもらうことで、改善を繰り返していく。
目指す状態は、「絶対、このサービス、欲しい!!」と目を輝かせて言ってくださる、最低5名の存在を確認すること。これができてようやく、大きな費用を投下して制作にかかる、スタートラインに立てると言えるだろう。
斉藤さんの言葉では、「小さく失敗しよう」という表現がとてもわかりやすい。
まさに「小さく失敗」するためのツールが、プロトタイプとも言える。
ITニュースなどでは、「A社が〇〇億円、調達!」などのニュースをよく耳にする。そういった見出しを目にするなかで、私も規模の大きい事業というものに憧れないわけではなかった。
事業を立ち上げ拡大していくとなると、サービスを開発する時点からマーケティング、広告宣伝、人件費、運営費まであらゆる費用がかかるため、投資家やベンチャーキャピタルなどを巻き込んで、資金を調達する、という選択も可能である。
資金調達ができると、スピードを上げてサービスを拡充できる可能性が高まる、という一方で、当然ながらリスクと隣り合わせであることを考えなくてはいけない。
例えば、人を巻き込んで資金を提供してもらってからでは「やっぱり、うまくいかないからやめようかな」というわけにはいかず、なかなか後戻りできない状態になってしまう。
であれば、小さく初めて仮説検証を繰り返していくほうがいい。
そのリスクヘッジこそが、プロトタイプを作って、たくさん失敗する意味だと理解した。
●どのようにプロトタイプを作るのか
プロトタイプは、そのサービスの形態によって、どのように作るかは様々だ。
その多くは、
・体験型(ユーザーに対し、リアルに自分で操作する)
・イラストや説明文
・ショートムービー
・ランディングページ
などで表現される。
今回私のアイディアは、アプリ形式のサービスを想定しているため、
簡易的にアプリの遷移、ユーザー体験を再現できる、prott というウェブサービスを利用した。
私はプログラミングなども学んだことがないし、簡易版であっても、アプリ風のものなど作れるのか?と自信がなかったが
アプリの画面を、手書きでイラストで書いてみて、
それを写真撮影して、遷移させることで簡単に作れるよ!
と、斉藤さんに言われたので、早速チャレンジした。
まずは手書きで作ってみようとしたものの、全然うまくできなかった。
失敗作。
何度描いても、手書きだと、いろいろ追加で書きたくなってしまうので、
結果ぐちゃぐちゃになってしまう。イラストも苦手である。
そこで、切り替えて、
keynoteを使って、スライド1枚=1画面と見立てて作る方針にしたら、
こちらの方がサクサク進んでいった。
prottは大変使いやすくて、アプリ風に作り上げるのに、だいたい3時間くらいでできた。
余談だが、prottこそ、まさに素晴らしいウェブサービス。
ジョブ理論風にいうと、
「お金をかけずに、果たしてニーズのあるサービスかどうかを、小さく検証したい」という、新規事業立ち上げ中の私の用事を片付けるために、prottを雇った。というわけである。
私も、こういったサービスを作ることが理想である。
prottはスマホでも操作できるので、まさにアプリっぽさを体現できるし、PCからでも、下記の写真のように、手で持っている画面で見られるので、イメージが湧きやすい。
このプロトタイプをもとに、次は2度目のインタビューに入っていく。
このソリューションが、ユーザーの課題を解決するものとなっているのか?また、いくらであれば購入したいか、ということを明らかにしていくためだ。
次回に続く