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小5息子、はじめてお薬を飲んでみた。(症状を止めるとどうなるかの話)
お断り:薬を使うのがよくないという話ではなく、体験を通じて実感した体の仕組みについての話です。
風邪を引いたら家で休養するのが基本の我が家。息子は健診以外で医療機関にかかることなく11歳を迎えようとしていましたが、昨秋、はじめて小児科を受診しました。風邪が長引いて咳が続き、息苦しさが出たためです。
元々咳が出やすく、風邪の後に咳が残ることも珍しくないため、咳そのものは心配していませんでしたが、息苦しさは初めてでした。
「自然派」の親にとって、医療機関で「なぜもっと早く連れてこなかったの?」と責められるのは心配事の一つかと思います。今回お世話になった近所の診療所の先生は、私の「家で様子を見ていました」の説明に、「いいですね」とだけおっしゃり、私はその反応に心底ほっとしました。
その頃、全国的にマイコプラズマが流行していたこともあり、検査が必要か相談しましたが、「処方した薬で様子を見て、落ち着けば通学してよいし、改善しなければ再度受診を」とのことでした。
処方された気管支拡張テープで息苦しさが緩和したため、咳止め薬は1錠だけの使用でやめました。自己判断での薬の中断が禁物なのはわかっていますが、やはり薬で咳を止めることに抵抗があったのと、初めての服薬が息子にとって難しかったからです。
徐々に症状は落ち着きましたが、ほどなくして息子が耳の痛みを訴えました。耳の不調は初めてで驚きましたが、咳を薬で抑えたことで、体が咳として排出しようとしていた不調が、行き場を失って耳に現れたように感じました。もちろん単に、耳に症状が出るほど具合が悪かったとも考えられます。
それでも、自然療法では、熱や咳、発疹といった症状を、体が不調を解消するための「出口」と考えます。そのため、これらの出口を塞いでしまうと、体は別の出口を探すことになります。
私の大人アトピー治療を支えてくださった王瑞雲先生は、「症状が外側にあるうちは軽い。症状を抑え込むと内側に向かってしまう」ということを教えてくださいました。
例えば、アトピーとして肌に症状があるうちはまだ軽いということです。それを薬で蓋をすると、症状が消えて治ったように見えても、今度は喘息という形で呼吸器に症状が出ることがあります。そしてさらに呼吸器の症状を止めると、症状は内臓(腸)に進むことがあります。
アレルギーがひどい人は腸が良くない場合が多いので、最初から食物アレルギーを発症している場合もありますが、アレルギーマーチの流れはこのように説明できます。
また、アレルギー以外でも、ある病気や症状の治療が別の不調を引き起こすことがあります。これを「医原病」と言います。
私の場合は、生後間も無く始まったアトピーの治療をはじまりとして、アトピー(ステロイド)→喘息(ステロイド)→重い生理痛(強い鎮痛剤)→扁桃腺炎→低体温→大人になってからのひどいアトピー症状、妊娠しづらさなど、次々と違う不調を経験してきました。
薬を否定するつもりはありません。しかし、薬で症状を一時的に消しても、根本的な原因が解決されなければ、体のより深くに問題が移行する可能性があることは知っておくといいと思います。
話を戻します。息子の咳も耳の症状もしばらくして落ち着きました。この経験を通じて、「出口を塞ぐと体は別の出口を探す」という体の仕組みを再認識し、改めて感心しました。
また、できるだけ薬に頼らない方針を否定しないお医者さんの存在も大変ありがたいものでした。西洋医学のお医者さんと、それ以外の方法も取り入れたい患者が、互いを否定せず連携し、個々の体や暮らしに合った治療法を見出していくことが私の理想です。
子ども2人を育てる中で「もっと医療に頼るべき」とアドバイスを受けることもあります。私としては、何がなんでも自力で頑張りたいわけではなく、医療や薬を否定するわけでもありません。
ただ、調子が悪い時の外出や受診は体にとって負担でもあるため、家での養生を優先させてきました。養生のコツも学んできました。
今年は、これまでの経験を生かし、家庭でできる手当や養生のコツ、病気の捉え方などについての発信を増やしていきたいと思います。
本年もよろしくお願いいたします。
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