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子供の頃は、身の回りで見つける何もかもが 遠く見えた。 「あれはわたしのものじゃないんだ」 そう思っていた。 確かに目の前にあるけれど、あれを手に入れるには おかあさんにお願いしないと手に入らないものだと思った。 ゲームも同じだった。 ゲームセンターでゲームをする。 画面の中にいる「これ」を手に入れたいんだけれど 手に入れてもわたしの手の中にはそれは来ない。 わたしは何も手にすることなく帰るのだった。 わたしはいつの日からか、砂の城を作るようになった。