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兆しを紡ぐ 随筆集

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続き物のエッセイとコラム。物語はいつも続いている最中。
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#連載

兆し5-2 正しいよりも楽しい方へ

兆し5-2 正しいよりも楽しい方へ

ところで、最近「楽しい事」がいいなあという雰囲気を感じていましてね。真面目で熱く固く重い話、より、明るく軽く楽しい雰囲気がいい。放っておくと自分が熱く固く重い方へ行くものですから余計にそう感じたのかもしれません。春先で疲れが出ていたのかもしれません。

楽しい事、楽しい事。歩き続ける×楽しい事、なんかないかね。

と思い放って半日後。そういえば最近、私の周りで、よく「談志」という言葉を見かけること

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兆し5-1 正しいよりも楽しい方へ

兆し5-1 正しいよりも楽しい方へ

朝、散歩に出ることにしました。

ゲーテも立ちながら書いたってんで集中力と健康の維持にスタンディングデスクなんて流行っている昨今ですが、確かに自宅仕事になったとたん、循環が落ちて足などが尋常じゃなくむくんできたり太ってきたり、外で働いていた時どれほどのストレスと運動量が私の体重を維持してくれていたのかを思い知らされたりしましてね。

近所をぐるりと40分ぐらいですかね。ちょうど花の咲き始め、椿、モ

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2、夢を伝って入ってくるもの

2、夢を伝って入ってくるもの

夢は、何のために見るのか。なぜ見るのか。これはいまだに、解明されていないことのひとつではなかったかと思う。

世の中に分からないことがまだある、という話を聞くと、ほっとする。分からないことがあるというだけで、自分が取り戻って安心する。

いろんなところの七不思議とか、想像が留まるところを知らないようなでかいわからないは大好きだ。謎は謎のまま解明されなければいいのに、と割と本気で思う。

同時に、解

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1、夢で電話が鳴った。

1、夢で電話が鳴った。

電話の映像はなかった。
いきなり頭の中に電話の音だけが鳴り響いて、目が覚めた。

目が覚めたというより、叩き起こされた。

寝起きに聞く音は、たいてい、遠くで鳴っているように聞こえる。しかし、夢と覚醒のあいだに鳴ったこの音は、聴覚器官に直接音を響かせたかのような、はっきりとした、つんざくような音だった。

だがしかし、それは朝の4時台だった。私は何も考えずに二度寝をした。そしたら、また同じように、

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兆し3 生まれた物語が導かれる

兆し3 生まれた物語が導かれる

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1、色に救われる
https://note.mu/mariandtomoco/n/n939549b04142

2、色に救われて物語が生まれるhttps://note.mu/mariandtomoco/n/n6e68f4c06840

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新宿伊勢丹で色を堪能した藤田二郎展。

足取りも軽くなったおかげで、せっかくだからと、伊勢丹

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兆し1 色に救われる

兆し1 色に救われる

「やばい、もうすぐバーゲンが終わる」1月の終わり、滑り込みで複合施設に入る。洋服が並ぶショップをいくつか見るが、結局、何も買えない。洋服を買うにはある一定のテンションが必要かもしれない。ここのところしばらく冬ごもりをしていて、街もしばらく歩いていなかった。テンションが冬そのものだったから、洋服へ欲求が、そんなに育っていなかった。

それでも、所在ないまま、少しぶらぶらした。すると、何か綺麗な色

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