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華金の街を抜けて

人なんて、別に他人から関心を持たれていない。

そんなことは分かりきっているのだ。それでも、勝手に気になってげんなりしてしまうことがある。

私の最近のテーマは、自己肯定感を上げること。
誰に否定されたわけでもないし、何を言われた訳でもない。ただ、今のままじゃ自信を持って選択できない、それだけははっきり分かっている。

*

仕事終わりに有楽町に向かう。
平日だけどちょっと高めのヒール履いて、化粧はちゃんとまめに直すし、お気に入りの香りをまとって足取り軽く待ち合わせ場所に。
ちょっとだけ早く着いてしまって、好きなお店に入る。そういえばこれ似合いそうだなあ……って誕生日が近い子の顔が思い浮かんでほっこりして。

ふわふわと楽しくなってきた頃に待ち合わせ時間になって、これまたお気に入りのお店で、おすすめメニューを教えてもらって美味しくて楽しい時間を満喫して……

っていうところまでが幸せな想像。
脳内で繰り広げやれた理想をつめこんだ妄想。

現実はこうだ。

仕事終わりに用事があって有楽町へ。
朝、時間がなくてワックスもつけられず髪型はぺったんこ。とりあえず、と寝ぼけながら手にした服を着て「買い物をするだけだから」と歩きやすいスニーカーでさくさくと街を抜ける。

ここのところ、眼の調子も肌の調子も悪くてほぼすっぴんに眼鏡。
さらには原因不明の首の痛みにより動きがスロー、そして顔を動かす度に走る激痛のため表情は歪む。

とても楽しそうな待ち合わせを横目に目的地につくと、なぜか知り合いに遭遇してしまう。
妥協を重ねた自分といつもの雰囲気と違う知り合いとのコントラスト、はっきりと対比が分浮かび上がる……。

現実なんて、こんなものだ。

おかげで、「この状態でいる自分、やばいな」を客観的に見られた。
そりゃ自信なんてつくわけがない。
だって、自分の理想と遠い毎日に逃げているんだから。

今週末は時間がある。
ちょっとずつ何か変えよう。髪も切ってさっぱりして、めちゃくちゃ水まわりも磨き上げてぴかぴかにしよう。行動したこともメモしよう。
ここから、ここから。

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