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コロナって怖いの?怖くないの?よくわからない ー「情報」と「実感」の差から生まれる困惑の把握 and その上でどう判断するのか (動画文字起こし①②)

先日のコロナに関する授業動画を文字起こししてみました。(動画はこちら→ 「ただの主婦がコロナについてしゃべる動画 」)

話の全体は、図にするとこんな感じ

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①新型コロナとは何か
②私たちにとって怖いものは何か
③コロナ対策って何をすることか
「国民がすべきこと」「国がすべきこと」二つの軸がある
④新型コロナ封じ込めの代償として広がる
【人間関係づくりはリスクだという感覚】


今回は「①ウイルスとは何か」という話を文字化します。

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今回、私たちの不安や行動制限の源となっている「新型コロナ」とは一体なんなのか。確認してみます。


■7種類あるコロナウイルス

新型コロナはCOVID-19と表現されたりします。聞いたことのある方も多いと思います。

COVID-19は「CoronaVirus Disease 2019」の略。「コロナによる疾患-2019年度版」という意味です。

2019年度版ということは、コロナというウイルスは他にもたくさんあるということになります。コロナは2019年までに6種類が知られていました。

従来の4種類は、くしゃみ、咳、鼻水など、いわゆる一般的な風邪症状を引き起こすもの。放っておけば治る病気です。これまで私たちがかかっていた風邪のうちの2割はコロナウイルスでした。

そのコロナウイルスの歴史が変わったのが2002年。SARSコロナウイルスの発見です。SARSも実はコロナウイルスです。SARSは、Severe Acute Respiratory Syndrome(重症急性呼吸器症候群)の略。それまでのコロナとは違い、肺にも影響を及ぼす怖いウイルスです。致死率は10%と言われています。この時、命に関わる原因となるコロナウイルスが誕生しました。

その後2012年に流行したのがMERS。MiddleEast Respiratory Syndrome(中東呼吸器症候群)。中東のラクダから感染したということでこの名前が付きました。致死率はSARSより怖くて30%です。

そして2019年。7番目に発見されたのが今回の新型コロナウイルスです。COVID-19は疾患の名称。ウイルス学者の間では、ウイルスの名称は「SARS-CoV-2」と呼ばれたりしています。これは、「サーズのようなコロナウイルス」という意味です。

ここまでがコロナの簡単な基礎知識です。


■新型コロナと他のウイルスとの比較

では次に、新型コロナがウイルスとして怖いのかどうかを見ていきます。

ウイルスはコロナ以外にもたくさんあります。みなさんもよく知っているもののひとつが、インフルエンザです。

新型コロナがまだ渦中ということもあり、正確な数字を出して比較するということはできません。代わりにここで、ひとつ別のデータを紹介します。

昨年2019年1月。1ヶ月間のインフルエンザ死者数は1700人でした。日本国内だけの数字です。1日に50人ほど亡くなっていることになります。

一方、新型コロナウイルスは初めて国内の感染者が見つかった1月から5月9日まで。4ヶ月間での死者数は590人です。(ただし日本では検査数が少ないので、亡くなった方うちの何名がコロナだったのか把握できていないという事実はあると思います)

1ヶ月の死者数を単純比較するとインフルエンザ1700名、新型コロナ150名弱。

数字の上ではどちらが怖いのでしょうか。

今まで私たちにとってインフルエンザは毎年流行する身近なものでした。こんなに死者を出すインフルエンザなのに、そこまで怖がってこなかったのではないでしょうか。なぜ?

それは、「1日50人亡くなっている」という「情報」を知らなかったからだと言っていいと思います。もしテレビで連日「本日もインフルエンザで50人なくなりました」と報道されていたら。コロナどころのパニックではないのではないかという気がします。


■自分にとって怖いことはなにか

何が怖いかということについて、もうひとつ別の視点から見てみます。

私は2歳と4歳の子どもを育てています。

感染症専門家の岩田健太郎医師は、新型コロナウイルスに関して、「子どもの患者は非常に少ない。患っても重症化しないでたいてい治ってしまう。理由は不明だが、2002年のSARSの時も同じだった。」と解説していらっしゃいます。iPS細胞専門家の山中教授も、個人的に立ち上げたサイトで確か触れられていたと思います。

一方、インフルエンザは子どもでも亡くなる病気です。この情報からすると、子どもを持つ親としてはインフルエンザの方が怖い病気だと言えます。これが、高齢者のご家族がいる家庭になると話が違ってくるのでしょう。

以上をお読みになれた皆様は、どう感じたでしょうか。

「実際の現象」ではなく「情報」に怖がっている。というのが、今回新型コロナで発生した新たな現状であると社会学者は指摘しています。

ここでインフルエンザと新型コロナを比較してどちらの方が怖い、という議論をすること自体は本題ではありません。

【周りが怖いと言っていることが、自分にとって本当に怖いことなのかどうか】を、一度確認する機会になればいいなと思います。


■個人の問題を正しく把握しつつ、個人を包む共同体の存続を協力して守る

自分にとって何が怖いのか、の確認ができたところで。ではこのコロナ渦中で自分はどう生きればいいのか?死者数はインフルと比較すると少ないとはいえ、新型コロナでも死者が出ていることは事実です。「自分にはあんまり関係ないからいいや」ということではなく、みんなが住んでいる社会の中で死者やパニックを少なくするために私たちはどうすればよいのか、社会に生きる人間は考える必要があります。

その際、今みんなで一生懸命取り組んでいる「STAY HOME 」という日本の対策は、本当に目的のための手段になっているのかどうか。

それを次回確認していきます。

つづく。


■VEREIN PROJECT■ 
子どもととりまくソーシャルデザインを考えるコミュニティ 
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【blog主】「2歳4歳子育て中の母」であり「保育士」。ふたつの現場での経験を社会学・人類学・哲学・政治学・宗教学・アートなどボーダレスな分野の知から考察。これから子どもたちが大きくなって船を漕ぎ出していく社会に疑問が沢山。同じような疑問や不安を持つ子育て世代と、気付き・学び・疑問などをシェアして考えたい。大阪府にて“子育てハウス”を媒介にした共同体を作りたいと企画中。
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