③疫学的調査から分かっているCOVID-19に「感染しにくい人」「重症化しにくい地域」
たくさんの人にちょっとでも内容が届いたらいいなと思い、一部を文字に起こしました。
(ダースレイダーさんと社会学者・宮台真司さんによる、これからの世界と社会の考察トーク『100分de宮台』)
■疫学的調査から分かっている「感染しにくい人」「重症化しにくい地域」(55:10~)
今、色んな疫学者(epidemiology)が研究して分かったことがある。
日本では感染症(infectionology)の専門家ばかりテレビに出てくるが、疫学と感染症学は違う。
感染症の専門家は感染症について扱う学問。疫学は個人ではなく集団を対象として病気の発生原因や流行状況、予防などを研究する学問である。パンデミック状態の今必要なのは、疫学者の声。
疫学者は、マクロな視点から個人にとっては残酷なことも言う。新型ウイルスに関して分かっていることについて、ここでは2点あげる。
① BCGをやった世代とそうでない世代で感染率が違う。
② アジアの国々・都市とヨーロッパの国々・都市で、ほぼ同じ様な対策をとった時の広がり方が違う。
前提で知っておくべきこと。新型コロナCOVID-19とはCoronavirus infection disease-19の略。コロナには19以外に沢山の種類がある。これまで私たちが風邪と思ってきたうちの2割強はコロナであったし、SARSもMARSもコロナである。これは別に今分かったことでなくずっと前から周知の事実。
先ほどの上げた2点の指摘のうち、後者から分かってきたことは、アジアには特異性があって、実はアジアで暮らして何度も風邪にかかっているうちに、coronavireus19に対する弱い抗体が出来ているのではないか、ということ。強い抗体ではないのでかかってしまう人もいる。しかし感染者が少ない、無症状者が多い、基本的に全体として死者が少ない、といった事実がある。
これは「アジアの国々では徹底した措置をとっているから…」ということではない。そういう都市もあるけれど、そうじゃない都市でもそういうデータがある。
つまり、アジアで今まで日常的に風邪が流行していた時に、抗体が出来る要素が潜んでいた可能性があると言うこと。私たちの知らないうちに、事実や因果関係がどこかに潜んでいることがるという事実。
日本は検査が少なすぎるので実態が把握できていない。だからアメリカ大使館やドイツ大使館はその意味で日本はやばいから帰ってきなさいと通達している。これは日本の政治の状態や今後の事態コントロール能力を懸念してのもの。新型コロナの危険性とは別。日本のガバナンス能力の危険性がもう露呈している。
ただし、それとは別に。NYで猛威を奮っているコロナウイルスや、イタリア・スペインなどで猛威を奮っているコロナウイルスの勢いというのは、隠蔽している、していない、にかかわらずムードの差がある。同じウイルスなのか?というくらい広がり方が違う。
【blog主】「2歳4歳の子育て中の母」であり「保育士」。ふたつの現場での経験を社会学・人類学・哲学・政治学・宗教学・アートなどボーダレスな分野の知から考察。これから子どもたちが大きくなって船を漕ぎ出していく社会に疑問が沢山。同じような疑問や不安を持つ子育て世代と、気付き・学び・疑問などをシェアして考えたい。大阪府にて“子育てハウス”を媒介にした共同体を作りたいと企画中。友達申請・メッセージはこちら→ https://lin.ee/qK7pte