「営み」に溶け込む毎週日曜日
マンションの一室を住民の方のコミュニティスペースにするプロジェクト。有難いご縁をいただきお手伝い。
「完成品」に囲まれて過ごす私たち親子が知らない、「営み」に囲まれる日々。
自分たちの生活世界の中に欠けた「何か」の必要性を感じる大人たちが集まり、会話し、楽しみ、相談し、一緒に作業する。大人の連携プレイを子どもたちは見ている。
見たこともない床の下、壁の中。骨組み。それを壊してまたイチから作り上げる。小さな積み重ねをコツコツ。土臭く、少しずつ。何かが出来上がるってこういうことなんだ。てっとりばやく、すぐに、「丈夫な何か」が出来上がるなんてことはないという体感覚。
大人の作業中。子どもたちは敷地内や面する道路で遊ぶ。道が細いから車通りは少ない。住人のおばあちゃん、おじいちゃん。通りすがりの自転車やバイクの御近所さん。みんな声をかけたり、笑いあったり、挨拶したり、温かく見守ってくれる。自然と顔見知りになっていく。
子どもたちは。作業で出た端材を積木に。パイプを坂道で転がして競争。チョーク一本あればいつまででもお絵かき。落書きさせてもらえる場所自体が貴重。温かい周りの目に感謝ばかり。
おもちゃで囲まれた部屋にいてもすぐに飽きてしまうのに、ここでは延々と楽しそうに遊ぶ。
子どもは「おもちゃ」で遊ぶんじゃない。「イメージの中」で遊ぶ。
既製品は遊び方が固定化されているので広がらない。今の住居内は快適に作られているから、室内はある程度一定に管理されている。
野外には室内以上に、変化する風や生き物や光や音や、予想外のパラメータがたくさん。そこからまたイメージを無限に膨らませられる。
■blog主・福本桃子:「2歳4歳の子育て中の母」であり「保育士」。ふたつの現場での経験を社会学・人類学・哲学・政治学・宗教学・アートなどボーダレスな分野の知から考察。これから子どもたちが大きくなって船を漕ぎ出していく社会に疑問が沢山。同じような疑問や不安を持つ子育て世代と、気付き・学び・疑問などをシェアして考えたい。大阪府にて“子育てハウス”を媒介にした共同体を作りたいと企画中。友達申請はこちら→https://lin.ee/qK7pte