働きたくない私ですら、この世界に「はたらき」かけていることについて。


出来ることなら働きたくない。
私も彼もそう思っている。

しかし、その理由は異なっている。

私は、自分に自信がない。
だから自分の仕事にも自信がない。
調子が悪いと、自分が仕事を通じて
世の中に「はたらき」かけたことの影響が
悪いこととしか思えなくて、
人と関わるのが怖くて、働きたくない。

そのくせ、エベレスト級のプライドを持ち合わせているので、
自分にしか出来ない仕事でないと
自分がやる意味がないのではないかと
矛盾したことを考えている。
自分の力で、同年代の平均収入程度
稼がねば負けだという生きづらい枷を
自分に負わせるから、働かずを得ない。

彼は、つねづね宝くじで2億当たったら仕事を辞めると宣言している。
平均生涯収入が2億だから、らしい。

彼にとって仕事とは、私と楽しく過ごすためのお金を稼ぐための手段に過ぎないと言う。
嬉しいことを言ってくれる、と思いながらも
私との職業観の違いに狼狽する。
まあ、違うから、一緒にいるのだけれど。


閑話休題、『はたらく細胞』という漫画をご存知だろうか。

wikipediaの説明は以下である。

とある「人」の体内で年中無休で働いている数十兆個もの細胞(主に免疫系の諸細胞が中心)を擬人化した物語。

擬人化された細胞たちは意思を持ってはたらく時もあれば、指令によって不可抗力ではたらいているときもある。

この世界が、とある「人」の体内としたら
私は細胞のひとつと言えるかもしれない。
こうしたいと意思を持ってはたらく時もあれば、やりたくなくとも仕事としてやらざるを得ないはたらきもあるし、意図しないところで影響を与えてはたらきかけているかもしれない。

それが、良いはたらきなのか、悪いはたらきなのかは、細胞のひとつである私にはそもそも判断不可能なのかもしれない。
他の細胞、もとい同僚や他者との関わりや、そのはたらきを受けた受容体、つまり私の仕事の受け手との反応の中で、最終的にはとある「人」である世界が判断することなのかも。

細胞である私が困っているのは、世界が私のはたらきに対してどう評価しているのか分からないことにあるのだけれど。

それでも今日も私は働く。
世界に向かって、はたらき続けていたいから。

#はたらくってなんだろう

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