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③父、老人ホームへ見学に行くってよ

父97歳「要介護1」 と 母92歳「要介護5」
二人だけで暮らしてきたが
もう無理になってきた
実家を売却して
私が住む町の老人ホームに入ってもらおう
しかし母は「実家にずっと住みたい」と言う
父は、母の気持ちを尊重したいそうだ
私は密かに両親の「終の棲家」探しを始めた

前回まではこんな話

詳しくは、前回の記事👇をご覧ください😊


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8月27日
「地域包括支援センター」から電話がきた。
ビックリした!
電話がくるとは、これっぽちも思っていなかった。

2週間前、私が電話した時は、
「2人部屋がある老人ホームは少ないです。空きが出たら連絡します」
あっさりと切られた。

後日、ケアマネジャーに愚痴ったら、
「老人ホームを斡旋してくれる機関ではないですからね」
へぇー、そうなんだ。
お勧めの老人ホームを紹介してくれると思っていた。

けれど、私が電話で話した両親のことは、
データとして残してくれていた。
今回、両親に耳寄りな情報が出たので、
電話をくれたのだった。

「2人部屋の空きが出ましたよ!
見学に行ってみたらどうですか?」


父に話してみると
「どんな所だ?」
想像以上に食いついてきた。

ウェブサイトにある写真や動画を見せてみた。

環境がいいな
近くで魚釣りもできるのか
リゾートホテルみたいだな
看護師が24時間いるのか
こういう所でのんびりできたらいいなぁ~

想像の倍以上の高評価だった。


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父は、ゆっくりと話し始めた。

「最近、庭や家を維持するのに疲れてきたよ」

実家は、55年前に建売住宅をローンで買った。

庭は、両親が専門書を片手にデザインした。
大きな石は、どこどこでもらってきたとか、
門の松は、山から採ってきたとか、
とにかく思い入れのある庭なのだ。
両親が、自分たちから手放すとは思えなかった。

父は、池の掃除を年に2回やっていた。
まず鯉を子供用のビニール製のプールに移して、
池の中をデッキブラシで磨いていた。

母は看護師だったので、
家事の大半は、祖母に任せていた。
けれど雑草が増えてくると、
夜勤明けの朝でも、
「気になって寝られない」
せっせと抜いていた。

私だって思い入れはある。
子どもの頃、夏休みにはホースを引っ張ってきて、
植木や花に水をやっていた。

「この庭は鬼ごっこに向いてるね」
近所の子供たちにも人気があった。

そう思うと、「実家じまい」は切ない作業だな。

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話が反れてしまった。

父は庭の手入れに疲れていた。
あと家事の分担は、年々父の方が増えてきた。
洗濯を干すとか、ゴミを出しに行くとか、掃除機をかけるとか、
そんなこんなの雑用が、97歳の父に容赦なく襲い掛かっていた。

「いいなぁ、こんな良い所でのんびり暮らしたいな」


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実は、お値段も良かった


父と費用を計算してみた。

当初考えていた予算をずいぶんオーバーしている。
わが家には分不相応な老人ホームだ。

けれど、両親が長年働いて得たお金だから、両親が望む所に入るために使えばいい。

私に残してくれるのも大歓迎だけどね🤣

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昨日、母の面会に行った。

父は母に言った。
「はられの近くにある老人ホームに入りたいと思っているんだ。
どうだ? 入らないか?」

私は驚いた。
父は、母の気持ちを尊重する、と言っていたのに、
まず、自分の考えを示したのだった。

すると、間髪入れずに

「いいよ、入ろうよ!」

母が父にそう答えた。

これには、父も私もとても驚いた。

「えっ、私は家に住み続けたいわ」
そう言うと思っていた。

現に今までそう言っていた。

帰り道、父と話した。

今は入院中なので、食事はもちろんのこと、着替えまで手伝ってもらっている。92歳のお姫様のような生活だ。

しかし退院すると、ほとんどのことを母自身でしなければならない。
ヘルパーさんが来てくれるが、買い物と食事作りくらいだ。

母にも、庭や家を維持する労力は、もう残っていないのだろう。

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ということで、老人ホーム紹介センターに電話した。

「老人ホームの見学予約をとってもらえませんか?」


9月3日、父と見学に行くことになった。
父が気に入ったら、今度は母と体験入居してみよう、
ということになった。


さて、このあと、どうなりますか。
続きは来週、投稿させていただきます。
最後まで読んでくださってありがとうございました。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました m(__)m あなたの大切な時間を私の記事を読むために使ってくださったこと、本当に嬉しく有難く思っています。 また読んでいただけるように書き続けたいと思います。