43 沢天夬(たくてんかい)
~決潰する、決断する、決行する ~
- 決断の象 ~ 危うい時だがタイミングを図り勇気を以って決断を下す時。 -
☆卦辞:夬。揚于王庭。孚號。厲有。告自邑。不利即戎。利有攸往。(かいは、おうていにあぐ。まことありてさけぶ。あやうきあり。つぐることゆうよりす。じゅうにつくによろしからず。ゆくところあるによろし。)
☆彖伝:彖曰。夬、決也。剛決柔也。健而説決而和。揚于王庭、柔乘五剛也。孚號厲有、其危乃光也。告自邑不利即戎、所尚乃窮也。利有攸往、剛長乃終也。(たんにいわく、かいはけつするなり。ごう、じゅうをけつするなり。けんにしてよろこび、けつしてやわらぐ。おうていにあぐるは、じゅうごうにじょうずればなり。まことありてさけぶ、あやうきありとは、それあやぶめばすなわちおおいなるなり。ゆうよりつぐ、じゅうにつくによろしからずとは、たっとぶところすなわちきゅうすればなり。ゆくところあるによろしとは、ごうちょうずればすなわちおわればなり。)
☆大象伝:象曰。澤上於天、夬。君子以施祿及下、居徳則忌。(しょうにいわく、たく、てんにのぼるは、かいなり。くんしもってろくをほどこしてしもをおよぶ。とくをおくはすなわちいむ。)
キーワード:
消長卦、決裂、危うい、危機寸前、不慮の災い、想定外の問題が起きる、危険が迫る、アクシデント、断行、決行、決議、決断、判決、決定、法廷、裁判、裁く、裁判沙汰、独裁者排除、絶体絶命、優柔不断NG、独断独決で失敗、決定打、私利私欲NG、下克上、クーデター、勢い極まる など
☆序卦伝:「益して已まざれば必ず決す、故に之を受くるに夬を以ってす。夬とは決するなり。」
風雷益の卦の次にこの、夬の卦があります。増しては増し、益しては益し、際限なく増す時といいますのは、必ず裂けて敗れてしまうものです。例えばお皿に水を入れ過ぎれば溢れ出ますし、袋に物を入れ過ぎると袋が裂けて破れてしまいますよね。川に水が多過ぎれば堤防が決潰しますし(決の字は水が堤防を決壊させる事を表す字で、不慮の事故や災い、青天の霹靂、突然のアクシデント、まさかの事故、裏切り行為等を連想させます)、ですので益の卦の次に沢天夬の卦があるのです。夬とは決すること、物が裂け敗れることです。詰め込み過ぎて自然に敗れることもありますし、詰め込み過ぎて他のものから裂かれて敗られることもあります。例えば有る団体や生徒があまりにも大きくなり過ぎた場合、内部から自然に崩壊作用を起こすこともあり得ますし、また、外部からちょっと突つかれた時に崩壊するほど脆くなっている事もあります。団体のみならず、ひとりの個人的なことにたとえましても同じく、増して多くなって、終に裂け敗れる、というのがこの卦、夬の卦なのです。決潰する時、如何対処決断すべきか、という、処する道を説いています。
★解説&運勢★
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