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62 雷山小過(らいざんしょうか)
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~ 少しく過ぎる、低姿勢 ~
- 背中合わせの象 〜 何事も積極策に過ぎるのは良くないが、
礼節や仁、倹約の精神は多少過ぎても構わない時。-
☆卦辞:小過。亨。利貞。可小事。不可大事。飛鳥遺之音。不宣上。宣下。大吉。 (しょうかはとおる。ただしきによろし。しょうじにかなり、だいじにかならず。ひちょうこれがねをのこす。のぼるによろしからず、くだるによろし。だいきち。)
☆彖伝:彖曰。小過。小者過而亨也。過以利貞。與時行也。柔得中。是以小事吉也。 剛失位而不中。是以不可大事也。有飛鳥之象焉。飛鳥遺之音。不宜上宜下。大吉。上逆而下順也。(たんにいわく、しょうかはしょうなるものすぎてとおるなり。すぎてもってただしきによろしとは、ときとともにおこなうなり。じゅうちゅうをう。ここをもってしょうじはきちなるなり。ごう、くらいをうしないてちゅうならず。ここをもってだいじにかならざるなり。ひちょうのしょうあり。ひちょうこれがねをのこす、のぼるによろしからず、くだるによろし、だいきちとは、のぼるはぎゃくにしてくだるはじゅんなればなり。)
☆大象伝:象曰。山上有雷。小過。君子以行過乎恭。喪過乎哀。用過乎儉。(しょうにいわく、やまのうえにらいあるは、しょうかなり。くんしもっておこないはうやうやしきにすぎ、もはかなしみにすぎ、ようはけんにすぐ。)
キーワード:
過失、行き過ぎ、小事吉だが大事は不可、二人同行し志分かれる、分限守って行動、食い違い、行きつ戻りつ、離別、背中合わせ、消極性、低姿勢、控えめに、ケースバイケース、など
☆序卦伝:「其の信有る者は必ず之を行ふ、故に之を受くるに小過を以ってす。」
中孚の卦の次に、小過の卦があります。心の中に誠実な徳、真心が充実し、その徳が人に信用されるものは、必ず自分が成そうと思う事が上手く行われるので、 人に過ぎた事業が成就するのです。ですので中孚の次に小過の卦があります。小過とは、小さな事が過ぎる、少しく過ぎているという意味で、少し行き過ぎ ても良い事が過ぎているですとか、少しく過ぎているという意味です。 少し行き過ぎても良い事が行き過ぎている、とみます。あまりに行き過ぎてしまうと 事は上手く行きませんが、少し行き過ぎても良いのです。たとえば、先見の明 ということは、とても良い事ですが、50年、100年、まして1000年などの将来を 見るような先見の明では、あまりに離れ過ぎていて、かえって今日の場合には 適当しません。例えば1年2年、5年、せいぜい10年くらい後を見る先見の明ならば、 上手く事が運びます。このような類も小過の中に入ります。小過の卦は様々な 意味を持っていますが、今は小さい事が過ぎる、という意味と、少しく過ぎる、 という意味である事を知っておきましょう。この、小過の道を説いているのが、 雷山小過の卦なのです。
★解説&運勢★
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