第1章-2 (#2) 生意気なんだよ[小説]34年の距離感 - 別離編 -
長濱くんは、小学生のころからスーパースターみたいな男の子だった。かっこよくて、背が高くて、頭も良くて、スポーツもできて、リーダーシップもあって。どんな場面でも輝いてみえる。とにかく華があった。
中学に入学すると、あっという間に長濱くんの噂は広まった。かっこいい1年生がいると、1年のフロアまでわざわざ彼を見に来る先輩女子もいたくらいだ。
「月桜ちゃん。長濱くんと付き合ってるの?」
「月桜ちゃん可愛いもん。彼の彼女だよね」
えっ? 誰? 知らない女子から突然話しかけ