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時間簿のススメ

仕事をするうえで時間管理が大事、と一般的に言われるようになって久しい印象です。

その証拠に、To Doリストやスケジュール、プロジェクトの管理ができるアプリやクラウドサービスが数えきれないぐらいあるので、これらを使って時間管理をしている方が多いのだろうなと思います。

ただ、どれだけ機能の充実したサービスを使おうとも、各自が作業の所要時間、つまりある作業をするのにどれだけ時間がかかるのか、正確に把握できていないとあまり意味がないと思います。そこで、時間簿の登場です。


時間簿とは?

時間簿とは、名前のとおり時間の記録簿です。どの作業にどれだけ時間がかかったのか、ひたすら記録していきます。

ちなみに私は新卒の頃からずっと、仕事中はこの時間簿をつけています。
メールチェックを9:00~9:30、プレゼン資料作成を9:30~11:00までやった、というように記録するのです。
コンサルだった頃は激務でしたので、週末に時間簿を見直して、業務の無駄をとことん省くよう努めていました。
翻訳者になった今は、自分の翻訳スピードを把握し、納期を計算するのに時間簿は必須です。

このように職種や経験値に関係なく、仕事をするうえですごく役立つと思うのですが、会社でこれをやっている人はあまり見たことがありません。

時間簿のつまづきポイント

①マルチタスクや業務の割り込みが多い

プレゼン資料を作ってる最中に急ぎのメールが来て、それに返信し終わってようやくプレゼン資料に戻れると思ったら会議の時間だ・・・こんな業務の割り込みやマルチタスクってあるあるですよね。こうなると、どう記録をつけるべきか悩んでしまい、記録する習慣が続かなくなります。
業務の割り込みが多い、一度に複数の案件を回さないといけない、などなどある場合は、業務の無駄や非効率が隠れていることが多いので、きっちり正確に記録するのが理想です。記録する内容を最小限にして、ともかく作業名(上記の例だと「メール」「資料作成」「会議」だけ。誰にメールしたとかは不要)と開始・終了時刻を正確に記録することに専念します。どれだけ面倒でも、1週間だけ記録に専念してみてください。
どうしても難しいようなら、マルチタスキングしている時間を「もろもろ」として記録します。マルチタスキングが得意な人っていないですよね、多分。非効率だという論文も発表されているぐらいです。この「もろもろ」時間が短ければいいのですが、長いようであれば一つの作業に専念する時間帯を捻出できないか、検討の余地があるので、「もろもろ」で纏めてしまってもいいから記録しましょう。なにも記録しないよりましです。完璧に正確に記録できなくても、分析はできます。

②忙しすぎて記録するのを忘れる

やらないといけないことが多すぎると、作業時間を記録するという余分なタスクをする心の余裕がなくなります。でも、心の余裕がないと仕事も雑になりがちではないですか?
前述のとおり、ともかく1週間だけ記録に専念してみてください。作業の開始・終了時間を意識するだけで、

「あれもこれもやらないといけないのに、時間がない」

とてんやわんやした状態から、少し冷静になれると思います。たとえば、

「私、この30分だけでもこれだけちゃんと仕事進められた」

と実感できれば、心の余裕も出てきます。

「30分頑張ったのに、これだけしかできていない?!?!」

と逆にパニックになる場合は、なぜ思っていたほど進捗が悪いのか、業務改善のチャンスです。なんとか時間を記録しつつ仕事を終わらせたあとで、どう改善できるか考えましょう。

おすすめのツール

上記のポイントでも触れたとおり、記録する内容や方法はシンプルにしたほうがいいです。記録することに慣れて、いろいろと分析したくなったら記録する内容を増やしてもいいでしょう。

【Excel表で管理する】(無料ダウンロードできるテンプレあり)

仕事でパソコンを使い、仕事の所要時間を把握するために時間簿をつけるのであれば、Excelで表を作るのがおすすめです。作業日は「Ctrl」+「;」、作業時間は「Ctrl」+「:」で入力可能ですので、多分思っているより記録することの負担は少ないです。

Excel時間簿の入力例

上記の入力例のような単純な表であれば、ある程度Excelを使い慣れていれば簡単に作れるでしょう。これを作るのでさえ面倒だという人は、私の方でこの超簡易Ver.時間簿のExcelテンプレを準備したのでダウンロードして使ってみてください。

私は、このテンプレートにクライアント名やカテゴリー(翻訳なら英訳・和訳とか)の列を足して、別シートで集計して業務分析に使っています。転職を重ねながらも時間簿の習慣を続けられたのは、Excelで作成したシンプルな表を仕事内容に合わせて編集しながら使い続けているからでしょう。

【Excelテンプレ】TaskChute 2(有料)

おそらく、Excelファイルの時間簿の決定版と言ってもよいTaskChute。私が新卒の頃はTaskChute 1が無料でダウンロードできたのですが、2025年1月現在、Excelのダウンロードは有料のTaskChute 2のみのようです。(以下サイトから詳細確認と購入可能)

私が作成した超簡易Ver.時間簿では物足りないけど、自分でExcelいじるのは苦手、という方は購入を検討してみてもいいかもしれません。ごりごりマクロが使われているファイルなので、自分で同様のものを作ろうと思うと大変だと思います。

【クラウドサービス】TaskChute Cloud 2(無料・有料版あり)

仕事でパソコンを使わない時間の方が長い、プライベートの作業時間も記録したい、という場合はExcelは不向きです。TaskChute Cloud 2はクラウドサービスのため、パソコンでもスマホでも使えておすすめです。
以下のサイトから無料版をお試しできますので、まずは無料版を試してみて、気に入ったら有料版に移行するといいと思います。

【スマホアプリ】MyStats(無料・App Storeのみ)

会員登録が必要なクラウドサービスではなくアプリの方がいい、無料で使い続けたい、という場合はMyStatsをおすすめします。残念ながら2025年1月現在、開発をストップしてしまっているようで、将来的に使い続けられるかどうかはわかりません。が、ひとまずは使えるようです。なお、Android版はないので、iPhone/iPadユーザしか使えません。

まとめ

ここまでポイントをまとめると、

  • 初めて記録をつける際は、記録する内容をシンプルに!
    まずは1週間記録を続けることが大事。

  • 自分が把握したい所要時間の内容にあわせて、時間簿のツールを選択する。

以上、お役に立てたなら幸いです。


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柳田麻里
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