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理想のセットにたどりつくまで:クリ抹茶セット

やっと形にすることができた、抹茶とお道具のセット。

今までのすべてのご縁がなければ、生まれなかったセットです!

理想のセットまでのみちのり

抹茶と道具のセット。本当は一年半前の創業当時から作りたいと思っていたものです。抹茶を飲んでみようと思って抹茶の次に突き当たる壁、それは道具だからです。どんな茶筅を買えばよいのか。茶碗はどう選べばよいのか。実際に見に行けるお店は入りにくいし、情報も少ない中質の悪いものが出回っていることもしばしばです。

しかし、理想のセットを実現するには結構時間がかかってしまいました。

日常で気軽に抹茶を楽しんでもらえる道具のセットを作りたい。

そのためには一度自分の中の前提も取り払って、本当に必要な道具は何なのか、一から考え直す必要があったからです。

一年半かけて、各地を訪ねてはいろんな道具を買っては試し、ようやく選び抜いたものが以下の内容になります。

ANDCのボウル

赤、青、黄、ピンク。

昨年五月の土岐美濃焼まつりでのこと。

瀬戸に工房を構えるエムエムヨシハシさんのブースにならぶ色とりどりのボウルを見て、直感的にかわいいと思ったのを覚えています。

吸い寄せられるように手にとってみると、ボウルがすごく手になじんで、抹茶を点てられる茶碗の条件を完全に満たしていたのです。

直径およそ10-15cm / 底が丸いこと / 安定感があること / 程よく口が開いていること

抹茶に使える器を探してきた中で浮かび上がってきた条件です。これを満たすものが、意外と少ない。

そんな中、このボウルは自然な丸みとサイズ感がちょうどいい。

さらっとした手触りは、いつまでも触っていたくなる肌のよう。

質感も相まってとっても抹茶が点てやすく、毎日のように使う一品になりました。

使うたびに、ブースで見たヨシハシさんの笑顔も、なんとなく思い出して、茶碗の見た目と相まって優しい気持ちになるのです。

だから私はこのボウルとは「出会った」と表現するのがいちばんしっくりくるな、と思っています。

抹茶を点てたいと思った人にはぜひ一度使ってみてほしい。自信をもっておすすめします。

高山の野点茶筅

自分の住んでいた土地を離れたとき、ようやくその土地の良さに気づくことができる。

よく聞くことだと思うんですけれど、正直言ってあまり信じていませんでした。自分の町に愛着は持ったことはなかったから。

でも私にとっては茶筅が、ふるさとの良さを気づかせてくれました。

高山は、奈良県生駒市の山手に位置する地域。

国産の茶筅のほぼすべてがここで作られている、茶筅の一大産地です。

やはり茶筅で点てた抹茶が一番おいしいから、抹茶を売るからには茶筅についてもっと知りたい。そう思って奈良を訪ねたのは、長野に引っ越してからのことでした。

茶筅の糸の部分を編む、上編み講座に参加した時。

伝統工芸品が作られている繊細な手仕事に見入っていると、茶筅師の方がこう言ったのです。

「茶筅を通じて抹茶がもっと身近になったらいいなと思うんです。一家にひとつ、マイ茶筅。それが目標ですね。」

驚きました。想いは私と全く一緒だったのです。

同じ日にもう一軒茶筅師の方を訪ねたときも、同じことをおっしゃっていました。

「抹茶って、もっと楽に飲んでええもんやと思うんよ。抹茶は気軽に楽しめるいうことを、茶筅と茶杓を通して伝えたいと思う。結果として、茶筅を使ってくれる人が増えたら嬉しいわ。」

ああ、もっとがんばろう。抹茶を身近にするために頑張ることが、ふるさとのためになるんや!そう思った瞬間でした。

今回のセットに入っているのは、久保駒吉商店さんの野点茶筅。高山茶筅の伝統工芸士の中で最年少の方が作っています。

小さい頃から、一番長く使ってきた愛着ある茶筅です。

ふつうの茶筅より一回り小さいから、子どもの頃の私の手にもなじんだのかもしれません。本来は持ち運び用の茶筅ですが、いろんな器で点てることができる汎用性の高さが強みだと思っています。

長くなってしまいました。いろんな茶筅師さんに思い入れがあるのでいつも選ぶのは大変です・・・色んな茶筅をこれからさらに輝かせられたらと思っています。

アクリルモチーフのスプーン

さて、今回の道具のお話、最後はスプーンです。

抹茶を点てるとき、分量がちょっと難しいんですね。

茶道、そして通常つかわれるのは「茶杓」という細い竹のへらのようなもので、「軽く山盛り二杓」がちょうどいい分量の説明です。

個々の茶杓の大きさ・形には個体差があるので、経験で分量を量れるようになるには結構かかってしまうので、おうちで初心者が楽しむ分にはもうすこしわかりやすいものがいいかな、と考えたのです。

試してみた結果、小さじ1/2がぴったりちょうどいい量でした。

小さじ1/2のスプーンで、抹茶に合う雰囲気のものがあればちょうどいい!

そう思って探し始めたのですが、これが見つからずに苦労しました。

ただの計量スプーンじゃ味気ないですし、銀色の普通のスプーンだといかにもカトラリーになってしまって。

イメージをはっきりさせてくれたのは、二か月前にキッチンショップで見つけたポルトガルの「クチポール」というシリーズのコーヒースプーンでした。金色の丸いさじ部分に、白いマットな柄。サイズもぴったり。これだ!

と思ったのですが・・・。せっかくなら国産ないかなー?と思ってひらめいたのが燕三条。そしてやっと見つけたのが今回のスプーンです。

全然・・・似てないです。でもゴールドでマットな質感、細みの柄がすごくいいたたずまい。抹茶に合うスプーンだな、と思います。

すくってちょうどいい量はこんな感じ。結局アバウトですね、、今後に期待。

クリスマスギフトとして

最後に。このセットを今発売するのには、もう一つ理由があります。

クリスマスギフトとして、などというのは自分の中にはなかった発想でした。

でも先月、大学の文化祭の準備中に、(詳しくはこちらをご覧ください)

私の抹茶の店に興味を持ってくれた友達が、

「ギフトってどう?パッケージもかわいいし、詰め合わせみたいなのでプレゼントにこれもらえたらすごくうれしいと思うよ!」

と言ってくれたんです。そうか、ギフトか!

贈る、という形を通して抹茶の輪が広がっていくのも素敵だし、

もちろん自分用のプレゼントとしても、こうギュッと詰まった嬉しさというのはギフトにしか出せないものかも、と。

結局は、出会いが教えてくれることって多いんですね。

今回もそうなのです。だからどうしても実現させてみたかったし、こうして完成したことが嬉しいのです。

このギフトを通した出会いから、誰かが幸せを受け取って、広がっていってくれればいいな、と願っています。

最後の最後に。

(さっきも最後って言ったじゃん)

最後の最後に、今回思い切ってしたチャレンジを。

それが、お店の抹茶を使ってオリジナルスイーツを作ったことです。

昔からイベントなどでよくお会いしていてご縁があった、同じ塩尻市の「菓子工房 enn」さんにお願いして、とびっきりの抹茶クッキーをつくっていただきました。

ennさんのお菓子の素敵なところは、素材一つ一つにこだわって、地元産で安心できるものを使っていること。そして、優しい愛情がこもっていることだなと思います。

一口かじるとなんだか幸せな気分になって、じっくり味わってしまう、自然と笑顔になる味わいのクッキーです。

これぞ、今回限りのコラボかもしれません。美味しいうちに、ぜひ味わってみてください。

今までの人生の中で、一つ一つの出会いがなかったら、このセットは生まれなかった。クリ抹茶ギフトセットには、想いとワクワクがいっぱい詰まっています。

ぜひ、届けさせてください。

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