ビザが貰えない①
パン屋の面接に行った時、ビザの提示を求められた。その時既に期限2週間前でレセピセ(ビザの発行が認められてから滞在許可証のカードが貰えるまでの仮証明書)もなかった。当たり前だがビザのない者にオフィシャルに働く権利はない。
面接の3日後、以前から予定していた通り夫に有給を取ってもらい配偶者ビザ取得のためpréfecture(警察署)へ出向く。本当は9月に行きたかったのだが夫が休みを取れなかった。
さて、私達が住んでいるのはパリではなくパリ郊外である。市によって予約が取れたり、取れないので明け方から並び出てきたのは14時、なんてケースもある。明け方から並んで結局レセピセを貰えない最悪のケースもざらにある。
私達の住んでる市は、学生ビザ・労働ビザなどいくつかの種類はネット上で予約を取れるフォームがあったが配偶者ビザは予約が取れなかった。「明け方から並ぼうよ☆」なんて気持ちは私達にはなく、préfectureの開く一時間前から並んだ。昨年学生ビザの更新で予約の列から眺めたsans rendez-vous(予約なし)の列よりは大分人が少なかった。当時は(なんで皆予約取らずに何時間も並ぶんだろう・・・インターネットがないのかな?)などととんちんかんな事を考えていたが今年は私もこの列にいる。インターネットはある。
さて、門が開けられ中へと進んで行く。建物の中に入るとまず呼び出しのチケットを受け取る為の行列。しかしこれは30分足らずで貰えた。そして椅子に座って頭上のスクリーンに番号が提示されるのをひたすら待つ。「待ってる間椅子に座れるなんてラッキーだわ」なんて思えるくらいフランスのおかげで私は謙虚になった。親が聞いたら泣くかも知れない。夫は今日のために文庫本をわざわざ買い暇を潰し、私もいつ終わるか分からないので小腹が空いてイライラしないようワッフルを持ってきていたので態勢は万全である。