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司法試験を落ち続けた男と弁護士お嬢さん

ます15分からはじめよう、とSNSで読んだので、一日15分チャレンジ。いつまで続くかわかりません。
読んだマンガとか観たアニメとか、そういうのの感想も。

一発書きです。

司法試験に30回落ちた。
そもそも、口数が少なく、弁が立つわけでもない僕はとうてい弁護士に向いていなかった。
ただ法律を学んだり、書式を覚えたり、膨大な量の紙を消費する事務仕事は嫌いではなかった。


だから、法律事務所を辞めたのは衝動だったのかもしれない。当時、僕の大学で教鞭をとっていた先生が拾ってくださって、卒業後そのままずっとそこで世話になった。

退職と同時に32年住んだアパートを出て、僕は海辺の小さな一軒家を借りて移り住んだ。

52歳。
独身で、子なし、親なし、家無し、さらに職なしになってしまったので、世間からすれば将来を心配される中年男でしかない。

「見つけた! 秋津さん!」

ブザーとも例えられそうな家のチャイムが鳴って、玄関先にはまるでここの風土に似合わない濃紺のパンツスーツの女性がスーツケースを引いて立っていた。
左肩に光る弁護士バッジは、なにか久しぶりに見た形のような気がした。

「お、お嬢さん……? どうしてここが……」

引越した先の住所は、先生にもまだ伝えていないのに。

「職務上請求! 弁護士は特権で住所不明の相手の住民票を取ることができます、でしょ!?」


30分も経ってたので終わります
noteさん、使いにくいかもです……

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