足で稼ぐ幸せ

じっとりした汗が体にまとわりつく
その不快感を缶チューハイでまぎらわす

半年ほど前からダイエットと称して
退勤後、数駅分歩くのにハマっている。
だが最近、暑い。もうとにかく暑い。
暑い！暑い！暑い！！

そんな理由だったからか、金曜だったからか、
いつしか片手に缶チューハイ
そして片側に親友を連れて歩くようになった。

（※普段恥ずかしいし嘘っぽいので「うちらって親友だよね☆」と面と向かって言わないが、ここでは便宜上「大好きでかけがえのない友達·マブ·ほんま好っきゃねん」の代わりとして「親友」と書く。）

当初の目的である「1日の消費カロリーをできるだけ増やそう！」から「罪悪感なく酒を飲もう！」に目的は変わってしまったが、
暑さに勝つためにアツい展開を…なーんちゃって
言い訳はこの辺に置いといて、私はこの時間が大好きだ。

職場近くの神田から短くて御茶ノ水、長くて新宿まで歩く。
ちょうどいいのは、市ヶ谷まで。
色んなルートを開拓しながら、記憶を頼りにてくてくと。

1人でもくもくとラジオを聴きながら歩くのも楽しかったが、親友とお酒片手に歩くのがもうとにかく楽しい。

1駅分歩いて、今日の仕事の愚痴。
1駅分歩いて、最近の恋バナ。
ちょっとコンビニ寄ってお酒を買い足し。
1駅分歩いて、愛を語り合う。

「毎回こんなに話してもう話すことなくなってもおかしくないはずなのに、いつも話題がつきないよね。」

ねー、ほんとそう。わかる。
何を話してるかといえば、酔っ払ってしまって覚えてないこともあるかもしれないけれど、
覚えてるのはだいたいお互いいつも「何かについて考えてる」

私の親友と、私は、もうとにかく考えすぎる。
考えることを生業としている人くらい、考える。
こんなこと書いてる間にも、「いや待って考えるってなんだ！？」とか思っちゃうくらいに。

そんな日常から常に色々考えてしまっている私たちは、「今日こんなことがあってね、こういうこと考えたんだあ」みたいなことをずっと話してる。
毎日いろんなことがあって、いろんなことを考えるから、話題が尽きないのは当たり前か。

例えば恋をしてる時、なんてメッセージ送ろう、あの時あの瞬間、こう言ったらよかったかな、え、じゃあもしこの状況だったらどう振る舞う？ちょっとやってみて！え、かわいい。それ今度やってみよー。

この時不意にやる寸劇がちょっと好きだったり。

私は今まで友達に対してこんなにも素直に、
自分のことを話してこなかった。
自分の「考えていること」を話すって丸裸で友達と接していることと似てると思っていて、
友達の前で裸になれるほど私は自分の裸に自信がなかった。
だから、ちょっと話を盛ったり、変にちょけたりしながら友達と話すことが多かった。

でも親友は、私の考えをちゃんと聞いてくれて、なんかめっちゃ考えてくれる。嬉しい。楽しい。新しい。
だいぶメンタル弱めで不安定な私の精神安定剤。

足で稼ぐ幸せ。

というタイトルは、「友達と歩くとめっちゃ幸せだよ〜」ってことで付けたけれど、
私の「人生」でもあるかも、なーんて思ったり。

いっぱい遠回りして歩いた先に見つけた
今の「幸せ」

ほんと結構辛いことあったけど、
今も割と辛いことあるけど、
でもなんか毎日生きていられるのは、
私が今まで幸せのために歩くのを辞めなかったから

とかね。思ったり。

おあとがよろしいようで。