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何者にもなれなかった自分

私の20代半ばから30代。
何者かになれると信じてがむしゃらに働いた。
自信のなさを払拭したくて、私の居場所を作る為に
ただひたすら働いた。
息切れしながら思いっきり駆け抜けた。
だけど思うような結果が出なかった。
地の果てに堕ちたような絶望。
虚無感。
抜け殻症候群。
根なし草。

誰かを恨んだりもしたし、自分の中で沢山悪態もついた。約2年。口に出したくても出せなかった想いが、たまってたまって窒息死寸前だった。

いつかは溢れてしまう。
溢れ出る気持ちに必死で蓋をして隠してきた。
溢れ出た後が怖かったから。

ただ、少しのキッカケで溢れてしまう事はもう解っていた。

ある日、必死に蓋をしていた悔しさと虚しさが、ダムの決壊みたいに溢れ出てて、物凄い勢いで流れ出た。

あれから数ヶ月。

静寂。

私の心はポカンと宙に浮いてプカプカ浮かんだ。必死で抑えつけていたコップの蓋はパカパカとバネが壊れて何処かに流れた。

ムリが出来なくなった。

今は時間的に無理だと思う仕事は断った。
気乗りしなかった約束はドタキャンする事が増えた。遊びの誘いも断ることが増えた。
前の自分だったら張ってでもこなしてたな。
ムリができないのだ。
ごめんなさい、またいつか。

ただ、キモチは穏やか。
ドロドロなヘドロが支配していたわたしの心の中のコップは今、光合成で水の中からポコポコ酸素が発生してきた?
お気に入りのマンガの主人公に心踊ってガッツポーズ。心が少し動いてきた。

こないだ、真夜中に寒空を眺めながら何も残せていない自分に涙が溢れた。
こんな言葉が頭に浮かんだ。
享年44歳。
私の中の何かが死んだ。
でも、ただのリセット症候群ではない。

常に第1案しか許さなかった自分。

第2案、第3案。
自分を許そう。


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