あきさみよー沖縄③大田昌秀氏(沖縄県糸満市)
太平洋戦争に関心のある、みやびと申します。
中でも特攻隊に心寄せ、日本全国を旅して戦争史跡など周っていたりもします。
特攻隊、、
特に有名な17歳くらいの若い隊員らが命を投げ打った先は、どこなのだろう?と考えましてね。
旅を重ねて、その多くが鹿児島の基地から飛び立ち、沖縄の海で短い生涯を閉じていたことを見つけました。
初めて知った時、私は『沖縄で一体、何があったんだろう?』と思うようにもなったのです。
私達の世代にとっての沖縄は、南国の美しいリゾート地でしか無いですからね。
そもそも戦後生まれの私の親も、そのような認識しかないのですから、平和学習の機会なども無く…
数年前の私は沖縄戦の凄まじさをまるで知りませんでした。
知ると沖縄の町が、まるで違った得体の知れない土地に感じてしまいました。
その後は東京にて、沖縄戦で亡くなった人の遺骨を掘る具志堅隆松さんに会う機会に恵まれます。
そして、このような言葉をいただきました。
「沖縄戦の戦没者には、全国各地から集まった兵隊さんも居ます。県外だからと言ってあなた方と無関係ではないはずです」
その方は、そう仰るんですね。
ちなみにみやびの親族からは、父方でも母方でも、戦争で亡くなった人は居ません。空襲の激しい地に居ながら奇跡的に無事です。
でも何だか、私は戦争を学ばずにはいられないんです。
自分は遺族では無いけれど、祖父母も、その近親者も、戦争によって苦しみ、青春を奪われていますから…
さて、沖縄。
沖縄戦に興味を持ち始めてから、私は何冊かの本を買いました。
本に目を通していると、なんだろう… この人?
とても論理的で説明上手なのに、凄まじい怒りが伝わってくる著者が居ました。
沖縄戦に触れた人なら誰もが知っているかと思いますけど、大田昌秀氏です。
1990-1998年まで沖縄県知事の地位に居た方で、沖縄戦研究の第一人者とも言えます。
私が初めて読んだ大田先生の本は、『鉄血勤皇隊』でした。
怒り、悲しみ、自分が体験した戦争。そして失われた、奪われた周りの人への敬慕が感じられます。
戦争からだいぶ経って生まれた私には、リアリティの無い過去の出来事ですけれども…
大田先生の感情を読んでいると辛くなり、読み出し1回目は途中まで読んで閉じてしまいました。
鉄血勤皇隊も、沖縄戦も、悲惨さが飛び抜けていましたからね。
大多数の人ならば辛い記憶を忘れることに努めて、本に残そうなどと思わないでしょう。
類を見ない沖縄での戦争を体験した皆さんも、しばらくは口を閉ざしていたそうです。
彼らが語り継ぐのは自分の家族に対してだけだったのかもしれません。
戦争がだんだんと遠い過去となり、風化してしまうことを恐れた人々が、徐々に口を開くようになっていった、と とある本で読んだことがあります。
大田先生は立ち止まらず、自分の人生を賭して書き残してくれたんですよね。
それがどれほどのお苦しみだったか…
著作を読むと、生かされた自分が友の分まで平和を守るという意思が伝わってきます。
現代の人はよく「自分の人生を狂わされた」「〇〇のせいで…」と口にします。
けど、ご自分も戦場に送り込まれた被害者なのに、大田先生はそういう書き方はしていません。
戦争での経験を書いてらっしゃるものは多いですけど、生かされた人として、有言実行で平和を掲げていたのでしょう。
沖縄のことを考えると、楽しく明るいイメージしか無かったのですが、、
負の歴史を見るの、もちろん辛いんですけどね。
私も、私の出来ることで、沖縄戦を伝えられたら良いなと思います。