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【鹿児島県南九州市】知覧を歩く① 特攻平和観音堂、知覧特攻、特攻平和会館、鹿児島観光、特攻隊

【美脚女子、歴史を巡る】 〜薩摩を歩く⑦ 特攻平和観音堂〜(鹿児島県北九州市) 2021年11月20日

「私、まず特攻平和観音堂へお参りしようと思っているんです」

昨年11月。私はようやく本州最南端の鹿児島県、更に南の知覧を訪れた。

「知覧へ行ってみたい」という気持ちは、前々から持っていた。

知覧へ行けば「特攻平和会館」と言われるほど有名な観光名所があり、特攻隊員の遺書や遺品が展示されている。日本軍の凄絶な任務を遂行する若者達が、大切な人へ向けて心情を書いた。かの有名な「特攻作戦」である。

東京で暮らす私なら、靖國神社の遊就館でも遺書を見て歴史を知り、この比類なき「悲惨さ」を垣間見ることが出来る。それでもわざわざ知覧へ行きたいと熱望したのは、まず慰霊。そして特攻と沖縄戦という日本の最悪な歴史を目で見て学びたいからだった。

宿泊地の鹿児島中央から、バスで知覧へと向かう。10時頃の便に乗り、到着はお昼前。往復3時間なかなか遠い。タクシー料金だと¥10,000‐ほどの距離である。

知覧は南九州市の中ほどにあり、最南端だが港町ではない。敵軍に見つかりにくい場所を選んで基地が造られたため、山々を越えてゆく。

緑豊かな山道から、一気に立ち並んだ灯篭が目に入ってくる。灯篭とは道に迷わないための灯りだけれど、亡くなった人達がこの世への迷いや未練を捨て、成仏への道標も果たす。

バスを降りる時、知覧までの道中を楽しいものにしてくれた旅人の山口県マダム達とのおしゃべりも終わり。バス料金¥950‐ 

マダム達は、千円札の釣り50円玉をそのまま私に渡して言った。

「オバチャンら、知覧に30分しか居られないから、お願いして良い?」

3人分の賽銭、祈願ではなく供養のため。私は真っすぐ特攻平和観音堂へ向かった。

境内は撮影禁止のため、立札の言葉をメモから書き出す。

英霊に捧げる言葉

わが國土 沖縄に進攻した敵艦船を一死をもって撃沈するため尽きぬ父母への思いを断ち、沖縄の海と陸に参加された崇高、清純な特攻隊員の英霊よ!

その偉業は、子々孫々に至るまで伝え申さん

何卒、観世音菩薩の御許に
安らかに眠り賜らんことを

慈に謹みて仏像を彫刻し、奉納し奉る


お堂の中に居る大きな「平和観音菩薩」の像は、薄目を開けて左手でグワシッをしている。

そもそも「観音」とは。音を観じると書き、人の声を聴き姿を正しく見る。観音菩薩は、宗派の枠をこえて広く信仰されている。

「苦悩から人を救う」ご利益がある、女体像。

母上様! お母さん!
そう叫んで亡くなった、若き隊員たち。

知覧、特攻平和会館へ行くならば、まず観音堂でお参りして欲しい。

立札に書かれた「偉業」という言葉は違う、私はそう思う。それでも歴史を知るのに大切なのは、人に寄り添うこと。それから始めるべきだと信じている。

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