最期まで自分の人生を自分で選択するために スウェーデン編
こんばんは。
先日、看護学生時代からの同期と食事に行き、延命治療についての話になりました。
出版企画書を書いていた頃に、延命治療について日本の現状と他国の現状を調べていたことがあります。その時に、国ごとの違いに驚いたことがありました。
友人ともちょうど、そんな話になったので今日は他国の延命治療についてのお話をしようと思います。
スウェーデンの延命治療
スウェーデンといえば、どんなイメージでしょう。
スウェーデンは北欧スカンジナビア半島に位置し、東にバルト海、西は北大西洋を繋ぐ海峡に面した国です。国面積は日本の約1.2倍。
人口は約1,000万人と、日本よりも少ない人口の国です。
私は、スウェーデンと聞くとIKEAのイメージですね。北欧インテリアの素敵なデザインを思い浮かべます。
他には福祉国家というイメージがあります。
スウェーデンは社会保険料が高い代わりに、福祉サービスが優れていると言う情報を何となく知っている方は多いと思います。
スウェーデンの代表的な社会サービスには
こんなものがあるそうです。
これはすごくありがたいですね。
教育費無料は羨ましい。日本の親は子どもの学費のために働いてるようなものです。大学の学費が無料なら、医者志望がもっと増えるかも。なんて。
さて、そんな社会福祉国家のスウェーデン。
今回は、スウェーデンの延命治療について調べてみました。
・スウェーデンには寝たきり老人がいない
こちらは、2015年の週刊現代の記事ですが、
なんと、スウェーデンには寝たきりの老人がほとんどいないそうです。
病院で働く私には目から鱗のお話。
記事の内容を要約すると、
・スウェーデンの平均寿命は日本とほとんど変わらない
・日本の寝たきり老人は約200万人と言われているが、スウェーデンではほとんどいない
・スウェーデンでは子どもと暮らさない(日本は同居44%、スウェーデンは4%)
・家族が介護することはほぼなく、在宅サービスが基本
・高齢者の9割が自宅で生活
・胃瘻は虐待、延命治療は無駄な負担を強いるだけという価値観
・介護する側もされる側も、寝たきりにならないように努力をする
というものです。
スウェーデンの高齢者は自立していて、
自分の世話は社会サービスで補い、
最期まで自分らしく暮らしながら生涯を終えている。そんな印象を受けました。
今から9年前の記事ですが、この時から日本の延命治療、死生観に関しては、さほど変わりはないと、私は感じています。
日本の場合、何かあれば病院に行き、寝たきりになれば、家族のサポートがなければ、二度と家に帰れない現状があります。90歳でも100歳でも延命治療を望まれる方もいます。
常日頃、現場やSNSで延命治療についての議論はされていますが、社会システム的には、何も変化していません。
死生観や、国ごとの家族のあり方などの違いもあると思いますが、
スウェーデンの延命治療の考え方に私は賛同します。
自分らしく生きられないまま、
周りに迷惑をかけてまで
生きたいかと聞かれたら、答えはNOです。
家族側としては、
大切な人には
長生きをできるだけして欲しいと思う面もある。
でも、その人らしさを無くしてまで
無理矢理生かし続けることになるのは、
本人には辛いことかと思います。
だからこそ、
辛い延命治療という選択を
まさかのときには、
自分以外にさせるのではなく、
自分の人生は最期まで自分で選択する
自分らしく最期まで生きる
ために、あらかじめ
自分の意思を表示しておくことが大切だと私は思います。
みなさんは、どんな最期を望みますか?
ちなみに、私は嚥下機能が低下して
食べられなくなったら
もう食べずに、終わりにして欲しいなと思います。
猫のいる家で最期は過ごしたいので、点滴はできません。なぜなら、点滴は猫のおもちゃになってしまうからです。😹
今回も読んでいただきありがとうございました。
著書「幸せに人生を終えた人から学んだこと」の中でも延命治療について書いてあります。
ご興味ある方は是非ご一読ください