未払金と未払費用と未収入金の違いのお話

理解しているようで、理解していない
未払金と未払費用の違いについて、
今回は解説していきます。

未払金とは

未払金とは、分かりやすく言えば、

単発で商品を購入した際に、
その代金を後から支払うものに適用される勘定科目
のことです。


商品を購入した時点で代金を支払うことが確定
するため、各取引それぞれが
単発の未払金計上時期となります。


同じ取引先からの購入が、
単発で頻繁に行われ、月まとめで支払う

といった場合では、締め日に
まとめて計上することも可能です。

具体的には、

事務用品、消耗品、備品など

営業活動に直結しない設備などを
後払いで購入した場合に適用される勘定科目です。


未払金は、

①資産
②負債
③純資産
④収益
⑤費用

からなる勘定科目の5分類のうち、

負債に属する科目です。


負債の勘定科目は事業の財政状態を表す
貸借対照表の右側

負債・資本の部にあたる、
貸方側で示されます。

未払費用とは


未払費用は、
継続的なサービス提供を受ける場合に、

その代金が後払いのものに対して適用
されます。


つまり未払金とは違い、
まだ提供が継続されているものに対する負債
を表す勘定科目です。


未払費用の具体例には、

借入金の利息、従業員への給与、家賃など

後払いでの支払いとなるものが挙げられます。

これらは、
時間の経過に伴い発生してくる費用であるため、

決算日など一定の計上時期で
まとめてその期間分の金額を計算する
必要があるのです。



このように、未払費用は、
その内容で未払金と区別するための勘定科目
となっています。


しかし、青色申告決算書では、

この2つの勘定科目を「未払金」として
まとめて計上する場合もあります。

日常の具体例
・ネットフリックスは、未払費用
・ゲーム機は、未払金

未収入金とは

未収金とは、
代金を受け取る権利のことです。

このように区別をしている理由は、
企業の営業活動(商品の売買)で生じた利益か、

それ以外で生じた
お金であるのかを区別するため
です。



例えば、
企業のなかでも身近な備品と言える
PCを例に考えてみましょう。

中古PCを不用品売却して得た代金は、

事業と直接関連性がなければ企業としての売上げ(売掛金)には該当しないので、
未収入金となります。


しかし、
仮にこの企業が中古PCショップである場合には、

商品でもある「中古PCの販売」という
店舗の営業活動となり、売掛金になります。


このように、
どのような流れで得たお金なのか。
という内容で区別することで、

「未収金」と「売掛金」を
判断することができるのです。

こうした未収金や売掛金は、
後からお金を支払ってもらえる権利。
と言い換えることもできます。

実際の仕訳方法とは

未払金の場合

・デスクを35,000円の後払いで購入した場合

商品・サービスを後払いで購入した際には
未払金として費用を計上します。

このケースでは10万円未満の備品であるため、
消耗品費として計上が可能です。

※10万円以上の設備などを購入した場合には、
固定資産へ計上し減価償却による処理を行うことになります。

月まとめでの支払いを行う場合には、
締め日でまとめて未払金を計上することができます。

また、総計の金額が10万円以上であっても、
個別の文具類の金額が10万円未満であれば
「消耗品費」として費用計上して問題ありません。

※中小企業は一括で30万まで可能です

未払費用の場合

借入金1,500,000円の利息につき、
利率2.8%で半年に一度利払いがあり、

決算日を迎えたところで利息の計算期間を
4カ月経過している場合。

利息のような、
継続期間中に費用が増えていくものに関しては、
期間計算を行い決算日時点などでの累計を計算し、未払費用として計上することになります。

この場合は、以下の算式で割り出しが可能です。

借入金1,500,000円×利率2.8%÷12カ月×経過4カ月

=14,000円

未収金の場合

不要になったPCを50,000円で売却し、
その代金は後日受け取ることにした場合

企業の営業活動外で不要となった設備などを
売却し、その代金を後日受け取る場合には

未収金という資産が増加したと考え、
借方へ記入します。

上記でPCを売却した際の代金を後日、
現金で受け取った場合の記載は、

になります。

未収金が発生した場合

未収金はあまり多額になってしまうと
大きな損害にもなり得るため、

放置してしまえば「黒字倒産」へと追い込まれてしまう可能性すらあるのです。

そのため、未収金が発生した際にはまず、
以下のような点に注意して処理を行いましょう。

・債権者側からの請求書の送達を忘れずに行う

・請求の方法をわかりやすく説明しておく

・債務者からの電話連絡などに債権者側が随時
 応じられる体制を整えておく

※種類にもよりますが、
未収金には最短1年・最長5年の時効が
法によって規定されているため、
長期にわたる場合には特に注意が必要です。

まとめ

上記の記事でも理解しできるように、
しっかりと管理や理解していないと黒字倒産なんてこともあり得ます。

その、未収金を自動で催促したり、
仕訳ミスなどから発生するヒューマンエラーを防いだりするには、

請求業務を自動化できる、ソフトもあるので、
検討するのもオススメです。

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