【大学入試】令和6年度大学入学共通テスト(世界史B)雑感
先週の土曜日に行われた令和6年度の大学入学共通テストの世界史Bの問題を、ようやく解きました。今年から「東京新聞」に世界史Bの問題・解答が載らなくなったため、わざわざネットで問題を見る必要があったためです。やはり手元にあってすぐ解けるのと、ネットの問題を印刷する必要があるのとでは、モチベーションが違います。
備忘録代わりの雑感なので、あまりお役には立たないかもしれませんが、とりあえず書いてみます。
まず、問題として歯ごたえ抜群で、解いていて楽しかったです。古代史から戦後史まで、世界史のあらゆる時代が幅広く出ましたが、以前より戦後史の割合が増えたかな。それだけ第2次世界大戦が終わってから、時がたったということでもあるのでしょうけれど。
地域別でいうと、欧米の歴史と中国史が大半を占めていました。去年はイスラーム史からの出題が多かった印象でしたが、今年はかすった程度。地域史については、インド史と西アジア史が出てきた程度で、東南アジア史やアフリカ史、コロンブス以前のアメリカ史、オセアニア史は、影も形もありませんでしたね。センター試験時代を含め、近年は地域史が重視される傾向が続いていたのに。欧米及び中国の歴史さえしっかりやっていれば、何とかなるという誤ったメッセージを、受験生に与えないか心配です。
読解力が求められる傾向は、去年以上に強かったです。昨年まであった、読解力さえあれば、世界史の知識なしで解ける問題は姿を消しましたが、問題を解く上で資料やグラフを読み解く力を要求する問題(第2問問8、第3問問3・問5・問6)が増えた印象です。
読解力の大切さについては、以下の記事をご覧ください。
多分今回初めて登場したのが、答えが複数(結果的には2つ)ある問題(第2問問4)。問4の答えによって、問5の答えも変わるという。なかなか面白い試みだと思いました。
問題そのものと無関係に、印象的だったこと。
第1問のAの文章に、「始皇帝の御前で」とあるのですが、「始皇帝の前で」で良い気がします。問題作成者は、始皇帝の臣下でしょうか。
第4問に登場する先生が、「大秦景教流行中国碑」の写真を見て、「これはシリア文字ですね」と言っていること。見てすぐ分かったのか、知識として「大秦景教流行中国碑」が漢字とシリア文字で書かれていると知っていたのか分かりませんが、すごい。少なくとも私は、シリア文字の判別は出来ませんし、「大秦景教流行中国碑」が漢字とシリア文字で書かれていることが資料集に載っていることに、つい先ほど気づきました。
見出し画像は、特急踊り子号です。第3問で、鉄道に関する問題があったので。
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