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令和5年度大学入学共通テスト(世界史B)雑感

先週の土日に、令和4年度の大学入学共通テストが行われました。今年は多少のトラブルは会場によってあったとはいえ、大過なく終わったようで良かったです。
世界史を教える教員として、さっそく今年度の問題を解いてみたので、その感想を書いてみます。もっとも、クリエーターさんによっては1問1問を丁寧に解説されている方もおいでなので、私のは雑感程度ですが。


まず、昨年度の初めての大学入学共通テストに比べ、難しかった印象があります。個々の問題の難易度だけではなく、注意深く問題文を読まないと、足元をすくわれるのではないでしょうか。


大学入学共通テストになってから、読解力を求められる出題が増えました。というか、世界史の知識そのものではなく、読解力があれば解ける問題も数問出題されるようになりました。例えば第2問の問1は、問題文をきちんと読めば解けたはずです。基本中の基本ですが、問題文は流し読みすることなく、正確に読みましょう。くれぐれも、自分の思い込みで問題を解かないようにしましょう。


ただし今回あれっと思ったのは、「適当でないものを選べ」という出題が消えたこと。昨年までは、「正しいもの(適当なもの)を選べ」という問題と「適当でないものを選べ」という問題が混在しており、そこに気づかないと間違える恐れがありましたが、今年度は多分「適当でないものを選べ」はなかったと思います。その分受験生にとっては少し楽だったかもしれませんが、本当は混ざっていても良い気がします。


あとセンター試験の時代から引き続き、やはり今回も地図問題が出ましたね(第3問の問2)。とはいえ、それほど細かいことを訊かれたわけではないので、基本的な知識さえあれば解けたはずです。歴史と地理は切っても切れない関係にあるわけですから、主要な都市など、基本的な地理的事項は確認しておきましょう。


なお「東京新聞」の解説では、「アジア史、特に中国の文化史に関連する問題が多かった」とありました。もちろんそうではありますが、私自身はイスラーム史からの出題が目立った印象が強かったです。なぜイスラーム史かといえば、恐らく2022年が622年のヒジュラから1400周年だったことに1つ理由があるかと思います。国公立・私立を問わず、今年は各大学の入試でもイスラーム史が出やすい可能性がありますので、文化史を含め、イスラーム史全般をチェックしておくことをお勧めします。


見出し画像は、名古屋市のマンホール蓋です。なぜマンホールの蓋かというと、近年、この時期になると「マンホールの蓋は落ちることがない」という理由で、マンホールカードとセットで合格祈願のお守りのカードを配布する自治体があるからです。今年も以下の自治体で配布するそうなので、近くに住んでいたり、近隣の大学を受験したりする方は、チェックしてみてください。



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