【展覧会】「Material, or」展(21_21 DESIGN SIGHT)に行ってきた
2年ぶりに、21_21 DESIGN SIGHTでの展覧会に行ってきました。
実は行ってからすでに、1ヶ月近く経ってしまったのですが、一応まとめておきます。
例のごとく、ここの展覧会は私にとっては難しすぎるのですが(なら、行くな)、今回はなぜかパワーをもらえるものでした。展覧会というのは普通疲れるものですが、入場前より出た後の方が、不思議と元気になっていたのです。
マテリアルを切り口に、作品にところどころ呟き(?)が添えられているのですが、それが面白かったです。
残念ながら私、子どもの時に泥団子を作ったことがないのです。別に今から作っても良いのですが、なかなか機会がね。
この指摘、ドキッとします。人間が作物や家畜として利用しているものたちは、実は人間の方を家畜化しているのかもしれません。
ちょっと分かりにくいかと思いますが、日本各地の砂から出来たガラスが、日本列島のそれぞれの場所に置かれているのです。「土地には色がある」とありましたが、これほど様々な色になるとは。
お馴染みのボトルの表面をやすりで削ったことで、不思議な雰囲気を醸し出しているのが、面白いです。
東アジアからユーラシア西部にかけて、「木を削りながら神聖な造形物を導く習俗」があると説明されていました。これは山形県米沢市のもので、神霊の依代などになるそうです。
マイクロプラスチックに代表されるように、プラスチックが悪いものとして扱われがちですが、悪いのはプラスチックではなく、使い方や処理の仕方ですよね。
これ、淡水魚の皮で出来ているのですよ。「昔の人は知っていた。魚の皮は、薄くても強い素材」とありました。
エビやカニの甲羅が、幅広くプラスチックの代用品になると良いですね。
本当に、つぎはなんでしょうね?
これ、人毛で出来たセーターなのです。
「人の毛髪はウール同様にケラチンタンパク質の繊維で、両者の性質に違いはほとんどありません。産業革命以前は靴下や靴などの繊維製品やロープなどに活用されましたが、繊維産業の発展とともに活用は見送られるようになりました」と、説明にありました。
思い出したのは、ナチスがアウシュヴィッツで殺すユダヤ人の髪の毛を切り、集めていたこと。その話を聞いた時、ユダヤ人を人ではなく動物か物のように見ているナチスに嫌悪感を覚えましたが、人類が髪の毛を実際に使ってきたとは知りませんでした。
もちろん言うまでもなく、美容室で廃棄される髪の毛を集め、それを加工することで、綿の栽培・収穫・土壌使用による環境負荷などについて考えようとしているソフィア・コラーさんとナチスとは、対極の存在です。
写真を見ても、そして実は実物を見ても分かりにくいのですが、薄い容器に原油が入っています。
「天然のアスファルト」です。瀝青って、もっとベタっとしたものなのかと思っていたのですが、意外に石っぽいです。
脚立も、置き方次第でアート作品になります。
ほうきも、置き方次第でアート作品になります。
中庭には、今回初めて出た気がします。
鳥さんも、立派なアーティストです。
いつも通り、美大かアート系の専門学校の学生と思われる来場者が多く、私などは場違いな感じでしたが、最初に書いたとおり、何だか元気になれる展覧会でした。
「Material, or」展は、2023年11月5日(日)まで開催しています。