茅花
庭の花が順番に咲いています。一斉に咲くと綺麗だろうに、ちゃんと自分に注目を集めるためか、微妙にズレて咲く策士たちです。
茅花噛み腹を満たすや汁甘し
仁淀川の河川を車で走っていますと、一面に茅花が靡いていました。
俳句をするまでは、記憶から消え去っていた茅花です。ところが、ゆらゆら靡く白い毛の植物を見ると、もしや季語ではないかしら?と気になります。
案の定、茅花という季語でした。名前が判明すると、記憶も甦るものなのかしら。
幼いころ、お腹がすくと茅花の茎をピュッと抜いて、柔らかい部分を噛んでいました。
腹の足しになりませんが、茎の汁がほのかに甘かったことを思い出しました。まるで戦後みたいな話です。
雨あがり茅花しょんぼり頭垂れ
茅花は若いうちは陽を受けてキラキラ輝いています。その頃は、雨に濡れても、雨を弾き返します。
でも、段々とモフモフになってきます。そうなると、雨に濡れると無惨な姿です。まるでずぶ濡れの猫みたい。
雨も晴れたことです。茅花も早く乾かして、風邪をひかないようにね。