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庭の朝顔
遠くの方で朝から草刈りをするエンジン音がします。みんな元気です。
いつぞやの種の朝顔ちと小ぶり
庭の草引きをしていると、朝顔が伸びてきているのを見つけました。去年もここで咲いていたので、種が落ちて発芽したのでしょう。
そういえば、亡くなった祖母は食べられない草花にはまったく興味がない人でした。
大正生まれの彼女は自称お嬢様育ちで、手が汚れる仕事はしない、重たいモノは持たないという人でした。
でも、嫁いだ先が農家、いくら仲人から何もしなくてもいいなんて好条件が出されても、農家の長男に嫁いでお嬢様続行なんてありえません。祖母のお嬢様暮らしは持続可能ではなかったのでした、残念ながら。
そんな祖母です、草引きをやらしてもどれが雑草なのか区別がつきません。せっかく芽を出した花の芽も引っこ抜いてしまいます。
無関心、無知のはそんなもんでしょう。結局父と娘が草引きをやりました。祖母のDNAを引き継いだ母もまた見分けのつかない人で、頼むとイライラが増えるだけでした。
ただ、母は鉢やプランターに植えられた苗と雑草の区別はつくようになり、学習の効果を教えてくれました。
今ではみんな逝ってしまい、雑草に飲み込まれた屋敷になるか否かは、娘の双肩に掛かっていると言っても過言ではありません。
なんて大袈裟ですが、増殖していた行動域が歳とともに縮小し、家を心地よく保つことにエネルギーを使うようになりつつあります。
これが足を地につけ暮らす、落ち着くということでしょうか。
隣の90歳近くのおじさん、ピンセットで草を引いたのかしら、と思うほど見事に草引きをしています。
剥き出しの畑が痛々しいほどで、あまりにも畑が狭く、時間をもて余すと雑草すら生える余地がなくなり、それはそれで潤いが減ってしまうようです。
何事もほどほどです。
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