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「ニャ~」
初秋の季語を睨んで額拭く
午後3時半、おじさんが隣の田畑の草刈りをやっています。猛暑とまではいきませんが、猛暑マイナス1くらいでしょうか。いやいや歳時記はもう秋になりました。
それでも天気予報では35度の暑さです。この炎天下で草刈り機を振り回すなんて偉いもんです。今から一汗かいて、お風呂に入って、ビールでも飲むつもりかしら。
でも、こっちとしては草刈り機のヴィーンというモーター音が脳に響くので、なにもする気になりません。
猫のマールも「同感です」みたいな顔をしてフローリングで伸びています。
最近、夜勤が多くてお留守番にも慣れてきたようですが、それでも猫なりに寂しいのか、やたらと近くにいます。
近くといっても微妙に手が届かない距離感を保っていて、何故か、いつも飼い主にお尻を向けています。
すぐにちょっかいを出してくる飼い主、猫も間合いを計っています。そろりとにじり寄り猫のお尻をくすぐると「ん?」と頭を上げて薄目で睨みます。
人間と暮らす猫だけが「ニャ~」と鳴くそうですが、うちのマールも一緒に散歩がしたいとき、暇だからかまって欲しいとき、撫でて欲しいとき、餌が欲しいとき、いらんことをするな!と意思表示するとき、色んな場面で「ニャ~」と鳴きます。
ただ、「ニャ~」の声の高さや強さが微妙に違っていて、彼女の感情が伝わってきます。
でも、いつもは「ニャ~」なのに、何故か、夜勤にいくために外で遊んでいる彼女を抱きかかえたときは「キャッ」と鳴きます。
何とも切ないその声、無事に帰ってくるぞ!と誓うのでした。
午後4時13分。草刈りが終わりました。
昼寝タイムも終わりです。かしましい油蝉の声が響いています。
夜勤に行かねばなりません。
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