帽子かぶって春遍路
気づけば3月も3分の1が過ぎて、あと少ししたら年度も変わります。
ところで、わたしの家から1キロのあたり、四国八十八ヵ所霊場の札所があります。
最近は車で遍路する人が増えましたが、歩き遍路や自転車遍路、バイク遍路もいます。
ただ、以前のように団体でやってきて、声を揃えて経を読む姿はなくなりました。でも、ちゃんと思いは届いていることでしょう。
膝あげて花の遍路や老夫婦
菜の花の咲く、歩くにはちょうどいい季節となりました。
出勤をしていたら、ふざけたように膝を高くあげて歩くお遍路の一行さん。男女四人組の高齢者が朝早くから歩いていました。
勝手に老夫婦と思っていますが、ひょっとしたら、仲良し友だちかれないし、兄弟姉妹の可能性もあります。
年を取ると、血縁とか関係なく、こうやって笑いながら遍路ができる仲間がいるのが幸せなのかもしれません。
春帽子母のおてては魔法の手
俳句の先輩から「言葉に酔ってる」と言われそうですが、ラジオを聞いていて、魔法の手という言葉が流れてきました。
お母さんの手、当ててもらうだけで痛いのも飛んでいく。お母さんの手は魔法の手。
そんな不思議な魔法の手を詠みたくて、捻り出したのがこの句です。
春帽子の頭に、優しくお母さんがやんわりと手を置いてくれたなら、とっても幸せな気分です。
でも、もしかしたら、春帽子の子どもが転けたりして、お母さんが「痛いの痛いの飛んでいけ~」と、魔法の手で手当てをしているのかもしれません。
ひげ面のおっさん2匹ではなく、アザラシのお母さんと子どもです。