「恋は猫」#シロクマ文芸部
「恋は猫が運んできてくれるのよ」
小学校の3年生まで、某ド田舎の公営住宅に住んでいたあたし、ある日、隣のお姉さんがこっそり教えてくれました。
「恋人がサンタクロース🎅」は聞いたことがあったけれど、その恋人のサンタクロースを運んでくるのは猫なのか。
耳年増の兄も姉もいなくて、超素直な子どもだったあたし、「そうかあ、恋人は猫が運んできてくれるのねぇ」。まんまとお姉さんのかわいい嘘に引っ掛かってしまいました。
「やっぱり恋人は青い瞳、背が高くて、外人みたいな人がいいなぁ」
それからと云うもの、素敵な恋人を運んできてくれそうな猫を飼いまくりました。マンチカン にミヌエット、ラグドール 、ブリティッシュショートヘア、、、。
でもね、猫と男を比べると、猫の方が何倍もあたしの気持ちを察してくれるし、無条件で癒してくれるし、綺麗好きだし、猫に軍配が上がっちゃうのよね。
もう何匹の猫と暮らしたかしら。恋人を運んできた猫はいないけど、猫たちに満たされていたし、幸せだったのは事実なのよね。
隣のお姉さんが、ウブな小学生を騙していたことは薄々、気づいていたけど。でも、猫と暮らしてきたあたしの人生、そんなに悪くもなかった。ううん、幸せそのものだった。
「ありがとね~」
あたしの最期の娘、愛猫マール。残して逝くのはとっても辛いけど、甥っこが迎えにくるまでの餌も水も用意したし、彼は動物好きないい奴なので、仲良くしてやってね。
今回も素敵な企画をありがとうございました。猫ときたらやるっきゃない!です(^^)v