行きつけのカフェ
前回、この行きつけの喫茶店の全容を描いたのですが、色は汚いし、悩ましい絵になってしまいました。
リベンジではありませんが、無理をせずに、入り口に焦点を当てました。
今日の五七五は、牛すじカレーセットを待つ間に詠んだものです。
足弱の夫を支えて春日傘
(あしよわの つまをささえて はるひがさ)
季語は「春日傘」です。
すっかり顔馴染みになった老夫婦が喫茶店に来ていました。足の悪い夫を妻が連れ出し、リハビリがてらのランチです。
「春日傘」は日焼けを嫌って外出時に日傘をさすという意味の季語です。妻は日傘の代わりに、夫と手を繋いでいました。
シルバーカー押して馴染みのつばくらめ
(しるばーかー おしてなじみの つばくらめ)
季語は「つばくらめ」です。燕のことです。
季節になると忘れることなく、また、戻ってくる燕です。
シルバーカーを押してくる高齢の奥さまは、どうやらご近所さんのようです。
カレーセット残す老婦よ春の泥
(かれーせっと のこすろうふよ はるのどろ)
季語は「春泥」です。
春の雨や雪で、大地が水を含んでぬかるんでいる様子を春泥といいます。
ここの喫茶店、ご高齢者には少し量が多めのカレーセットです。
ゆっくりと食べられるだけ食べて、セットのケーキは包んでもらってお持ち帰りです。
食後の珈琲を飲んで、シルバーカーに包んだケーキを入れてもらいます。
ここの店主もとっくに還暦を過ぎた女性で、慌てることがありません。
まったり~まったり~
泥は足を取られて鬱陶しいものです。でも、こんな風にまったりにからめとられるような春泥なら、いいかも。
春の炉に知らず知らずに顔を向け
(はるのろに しらずしらずに かおをむけ)
季語は「春の炉」です。
ここの喫茶店には、薪の暖炉がありますし、囲炉裏もあります。知らず知らずのうちに、誰もが温もりの方に顔を向けています。
意識的に明るめの絵にしました。ちなみに、前回の絵がこれです。ドロドロドロ~という音が聞こえてきそうです。
少しは成長してますかね☺️。