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振り子列車


万緑を抜けてしまんトロッコ旅


土佐( 高知 )と伊予( 愛媛 )を繋ぐ予土線には、
トロッコ列車が走っています。

その名も「しまんトロッコ」。

土佐窪川駅から乗り込みトットコトットコ、
江川崎に着きます。

江川崎とは2013年8月12日に41℃の日本一を記録したところです。

でもなあ~

最近は江川崎にも行っていないなあ。江川崎どころか、車でニ時間以上掛かるところには行っていない気がします。

暑さのせいでもないし、仕事が忙しいせいでもない。単に出不精になったのか、それとも家にいることが苦痛でなくなったのかしら。

両親がいた頃は、休みとなると逃げるように家から飛び出していたっけ。

あの頃は、頻回に一泊旅行をしていました。両親といっしょにいるのがしんどくて、ついじゃらんで市内のホテルを予約したり、つい中山町の町営のホテルに電話して、空き室があったら片道三時間以上は掛かる"町営花の森ホテル"へ向かいました。

もはや病気です。

杉花粉みたいなアレルギーと同じで、アレルゲンから離れる転地療養みたいに、実家から距離を取っていました。

花の森ホテルはこざっぱりした田舎のホテルでして、周囲には山しかなく、何処にも出掛ける場所がありません。

いつも窓の下の国道を走る車が見える窓際の席をお願いして、そこでお一人様ディナーを堪能しました。

町営を侮るなかれ!でして、何度行っても、同じメニューのコース料理、いつも美味しく頂きました。

窓際の席、一人で食事をすると会話がありません。ついつい食べるのが早くなってしまいます。

一口食べるとフォークとナイフを置き、車が通過したら、また一口。そうやって、時間を掛けて食事をしました。

滅多に車が通らないので、ゆったりと食事を堪能できました。

そのホテルにはテレビがありませんでした。だからお風呂に入って時間を潰すか、持参の本を読むか、寝るかです。

栗が有名な中山町、秋の頃には旅行が出来るといいなあ。


「夏休み振り子列車の二時間半」


土讃線は振り子列車と呼ばれており、カーブでもスピードを落とさない設計になっているそうです。

スピードは落ちないかもしれませんが、乗り物酔いする乗客には辛い。右に左に振られてゲロゲロです。

どうしても乗らなくてはいけない時は、薬を飲んですぐに寝るモード。どうせ車内販売もないし、自販機すらない列車です。

せっかく楽しく旅行しても、岡山駅に着くと快適な新幹線から乗り換えです。だんだんと現実が押し寄せ、テンションも下降気味。

それでも、今の四万十市に住んでいた頃は、高知市から乗り換えて、あと二時間でした。

暗い早朝からお出掛けし、思いきり楽しみ、夜も更けてから帰宅する。

住む場所が変わると体内時計の針の進み方が変わるのか、意識が変わるのか、あと二時間ちょっとで家やね~とはしゃいでいました。

四万十川のようなおおらかさでした。