何処か遠くへ
世間は3連休ですね。
持て余す人生二年春蚊かな
春の蚊。
成虫で越冬して、物陰にひそんでいた蚊が、晩春の暖かい夜にやっと飛んでいる状態で、刺す力もありません。
この二年間、感染禍で仕方がないとはいえ、一度きりの人生を持て余すかの如く暮らしているわたしたちは、まるで春蚊のようです。
この禍が明けても、わたしたちにはブスリと刺す力も、チューと血を吸う力も残ってないかもしれないなあ。
下戸ふたり月命日の麦酒かな
わたしたち父娘はアルコールで真っ赤になる体質が似ており、おきゃくがあってもあまりお酒は飲みませんでした。
父娘ふたりになってからは、夏にはノンアル麦酒で乾杯。それでも父は、「おっ!今晩はビールかえ」と目を細めていました。
他愛もない話をしてはふたりで笑って、それなりに楽しい時間を過ごしました。
月命日、思い出したらわたしの好きな果物を買ってきたり、ただ手を合わせるだけの時もあります。
でも、夏になったらノンアル麦酒でも買ってきて、久しぶりに乾杯といきますか。