押しの強いひと
どうやら今のところ、あたしが絵画教室では一番の年少者のようです。
あまり他人の年齢には興味がなく、わざわざ聞きもしないし、自分の年齢を聞かれたら「いくつに見える?」と、質問で返します。
でも、言わぬなら言うまで質問攻め!そんな押しの強いおばちゃんがあたしの前にいて、教室が終わりに近づくと「ねえねえ、お茶、行くやろう!」と、半ば強引に教室の全員をお茶タイムに引きずり込みます。
どうやらそのおばちゃんが入ってくるまではお茶タイムなんぞはなくって、絵を描いて、お互いに良いところを評価し合って、解散。
それが、あたしが入会する前後に入った女性二人がつるみ、あたしも引っ張りこまれて、何ということでしょう、気づけば教室の後にお茶するのはルーティンとなっていました。
押しの強いおばちゃんが毎度お茶菓子を用意してくれていて、先生のお茶は持ちまわりで買うことになっていて、みんな彼女の敷いたレールの上をガタンゴトン。
見事な仕切り手です。
彼女、みんなの年齢を聞くために、ちゃんと自分の年齢をオープンに。あたしより一回り以上も上だし、教室の中でも最年長でした。
こうなったら、先生も含め、みんな大人しく彼女に従います。
76歳らしい彼女、ずっと仕事をして、最近、介護も終わり、これから人生を謳歌しようとしているようです。
絵を習い、今度は卓球もやるそうです。バイタリティー溢れる、押しの強いおばちゃん、はちきんここにあり!です。