わたしの投資の楽しみ②(ラップ)
将来、気楽に過ごしたいと思っている用心深い花留さんは、何かあっても自分がポシャらないように根回しをするのが好きだ。
これまでも、本業の看護師と副業のコーチングをマイペースで行い、余剰のお金を投資にまわしてきた。お金が複数の箇所から確実に入るようにして、一本に絞り込まない用心深さは家庭環境にあると思っている。
花留さんが子どもだった頃は、ちょうど高度経済成長期の真っ最中だった。少しでも良い暮らしができるように、子どもも含めて家族全員で一生懸命に働いていた。
祖父母は農業をやって、父は会社勤め、母は近所の農協で働いて、仕事から帰ってくると祖父母に代わって農業をやった。
花留さんも小学校高学年から高校を卒業するまで、学校から帰るとリヤカーを引っ張って園芸ハウスへ行って、茄子やキュウリを収穫した。そして家に持ち帰ると、仕事から帰ってきた両親と一緒に茄子やキュウリを箱詰めして、夜中にそれらを車に積んで市場へ。
市場で高値がつくと嬉しかったし、帰り道、大判焼きを食べたのも最高だった。
また、農業だけでは生活が苦しかったので、養豚もやっていたし、内職もしていた。
花留さんは豚の世話が得意だったし、なんと豚のお産の介助も慣れたもんだった。小豚を十数頭もうしろに従えて散歩するのが、あの頃は楽しくてしかたなかった。
内職は、塵紙のビニール袋詰め、缶詰め用のミカンや栗の皮剥きなんかもやっていた。
ミカンも栗も目方が少しくらい減ってもバレないから、おやつにしたり栗ご飯にしたりと腹の足しにもなった。
でも、幼少期から本業の学業だけではなく、生きていくためには多種多様な仕事をやっておくことが必要だと教えられたことは、後になっても役に立った。
というのも、本業に精を出しながらも、少しずつ時期をずらしながら他の専門的な勉強をしたり、資格を取ったりして、1つに集中をしながらも多方面に目を向けることができるようになったのは家庭環境のお陰だ。
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花留さんは、証券会社のmy担当者がすすめる企業株の売買とファンドラップというものをやっている。
ファンドラップとは、投資家が証券会社などサービス提供業者にある、程度のまとまった資金を預ける。
そして、自分の投資目的や投資期間などに合わせて投資方針を明確にし、投資対象の配分比率を考えた上で投資信託等のポートフォリオを構築、運用資産管理・運用を行うための「ラップ口座の一形態」だ。
いくつかの証券会社のWebを参考にまとめてみた。ふ~💨
ファンドラップをする人の多くは、「将来のインフレに備えたいけど、何に投資していいか分からない」「忙しくて資産運用を考える時間が取れない」「保険の満期金や退職金が入ったので運用したい」みたいな理由で始めているようだ。
花留さんも、まとまったお金を運用したいけれど、看護師をやりながら、スマホで株価をチェックして売り買いなんてできない。
そんなときに見つけたのがファンドラップという商品だった。まあ、証券会社に他人任せ状態なので、彼らにエールを送って稼いでもらうしかない。
ファンドラップでは、資産運用の目的とかに応じて、どこまでリスクを負って、どんだけ稼ぎたいかも話し合った。
花留さんはできれば稼ぎたい、でもリスクを背負って大損する勇気はない。ヘタレの花留さんは中くらいのリスク契約をしている。
一時期ガコンと下がった株価も、やっと盛り返してきたのにまさかのコロナで急降下。
「株は安いときに買って、高いときに売る」父親に相談したときに教えてもらった。
だから、送られてくる残念な報告書はチラ見して、景気が回復するのを後押しするために外食して、食べることで貢献してきた。
花留さんが毎日支払うランチ代なんて、景気回復の追い風どころか、薄毛を揺らす程度。
それでも、まさかの株価の上昇に少し自慢をしたくなる自分がいる。
「あたしのランチのおかげ」