「一冊の本を埋める」#シロクマ文芸部
一冊の本を埋める。
今回の本は470頁の文庫本だ。前回は、確か390頁の中山七里の「ヒートアップ」という麻取ミステリだった。
470頁の本は、これまた中山七里の「護られなかった者たちへ」という、映画化もされた本だ。
今度の恋人とは相性も会話もあったし、もしかしたら、追加の本を初めて買うことになるかもしれないと、ドキドキしたのになあ。
新しい男と付き合い始めた日、文庫本を買うあたしだ。初デート、単なる記念のつもりで文庫本を買ったっけ。あれも中山七里の本、タイトルは「いつまでもショパン」だった。
デートの余韻を味わいながら、ソファに寝っ転がって読んだっけ。
初めての中山七里の本、デートのドキドキとストーリーのドキドキがクロスして、朝まで眠れない日もあったなあ。
でも、本が終わりに近づくにつれて、彼との終わりも近づいてきた。
彼と別れた午後、「いつまでもショパン」の最後の頁を読み終えたあたしは、記念にその本を庭に埋めた。
あれから何冊の文庫本を埋めたことかしら。今度は、もっともっと長編の文庫本を買えば長続きするのかな。
はそやmさんが投稿しているのをみて、興味津々、初めて参加してみました。