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看護師のあたし、カラフルな人生

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看護師になるまでのあたし、看護師として、地域の診療所から病棟、救急外来、手術室、緩和ケア病棟などで働いてきたあたし。そこで出会った人々のお話しです。人生はカラフルです。
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2023年6月の記事一覧

美しい人②

「妹、絶対に怒ってるよね」 久しぶりの二連休。でも、状態が悪くなってきていた彼女が気にな…

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美しい人

夜勤に行くと、急に転院してきた女性の担当看護師になっていました。あらら、どんな人かしら。…

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器用な男

あれは仲良しの同僚看護師、白さんと夜勤の夜のことでした。 「初瑠さん、あんたの担当患者さ…

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母と娘

案の定、彼女は目を覚ましました。 数日前、一般病院の精神科から転院してきた70代後半の彼女…

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生ききる②

彼が転院してきてから僅か一時間かそこら、あたしたちは息子さんの運転するワゴン車に乗ってい…

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生ききる

「あと一時間ほどで来るからよろしくね」と緩和ケアの先生から連絡が入りました。 通常なら、…

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身を清めて待ってます

「あっ、お久しぶりです」 年に一度、土曜日の午後、あたしの働いていた緩和ケア病棟では、大切な家族を看取った人が集まり、入院していたときのことやら、その後の暮らしぶりについてやら、共に語りあう日がありました。 「初瑠さんが来るのが楽しみで、いつも身を清めて待ってたよね」 笑いながら話すのは、40歳を迎えたばかりの若い女性です。彼女のご主人、若くして癌の末期、手術して、抗癌剤治療をして、余命を宣告され、あたしのいる緩和ケア病棟に転院してきました。 ナースステーションから左